1999 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体腎炎・ネフローゼ症候群・血管炎に於けるT細胞活性化機序についての研究
Project/Area Number |
11671025
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小山 昭夫 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80111384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室 かおり 筑波大学, 臨床医学系, 助手 (60301082)
平山 浩一 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10302423)
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Keywords | 糸球体腎炎 / ネフローゼ症候群 / 血管炎 / T細胞サブヒット / 活性化機序 / 免役複合体 / スーパー抗原 |
Research Abstract |
(1)TCRVβ鎖検討:末梢血リンパ球(PBL)ならびに組織浸潤リンパ球:患者のPBLにおいてTCRVβ細胞を患者免役組織学において染色したところ、lgA腎症患者の一部に同種類のTVRVβ陽性細胞が高率に検出されたが、殆どの場合、末梢リンパ球の増減に一致していた(Muro et al.投稿中). (2)免役複合体の抗原系の検討:血漿交換療法で得た試料をもとに、沈着している免疫グロブリンを抽出し、含まれるEluate中、あるいは循環中の抗原の検索を行い、本免役複合体がMRSA抗原特異的か非特異的かについて検討した.MRSA感染後腎炎の場合には約1/3にstaphylococcus aureus関連抗原の局在を認めた(Koyama A.et al.投稿中)現在、他のlgA関連腎症について検討中である. (3)MRSA感染後腎炎患者血清よりの精製循環免役複合体をマウスに投与し、受身血清病腎炎の系にて糸球体内局在・炎症惹起性を確認した(Koyama A.et al.投稿中). (4)免役複合体型腎炎:本邦で最も頻度が高いlgA腎症、特発性と考えられる紫斑病性腎炎、全身性エリテマトーデスに伴う腎炎ではTCRVβ陽性細胞の有意な増加がみとめられた(Muro et al.投稿中、Hirayama et al.投稿中). (5)細胞性免疫の関与が推測される腎病患:微小変化型ネフローゼ症候群、巣状糸球体硬化症にもある種のTCRVβ陽性細胞の有意な増加が認められることが判明した. (6)免役複合体型腎炎である膜性腎症では正常値範囲であった. (7)免役複合体が認められない半月体形成性腎炎や顕微鏡的結節性動脈周囲炎などの全身性血管炎ではむしろ正常より有意に低値であった(Koyama A.et al.投稿中). 以上の研究結果より、一般に免疫異常が原因と考えられている糸球体腎炎、ネフローゼ症候群において、疾患によりTCRの使用経路の相異を示すものと推測される.これらの研究により腎疾患の免疫学的な発症機序を解明する上で、T細胞の役割がより明確になってきた.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K MURO,et al.: "The usage of variable regions of the human T cell recepter in patients with IgA nephropathy"Nephrology. 4. A46 (1998)
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[Publications] Ebihara I,et al.: "Activation of Natural Killer Cells in Various Types of Glomerulonephritis."J.Am.Soc.Nephrol.. 10. 100A (1999)
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[Publications] Hirayama K,et al.: "Usage of Specific TCR-Vβ with Cytokinemia in Henod-Sehonlein Purpura Nephritis."J.Am.Soc.Nephorol.. 10. 103A-104A (1999)
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[Publications] Ebihara I,et al.: "Predominancy of Th subsets at the single-cell level in Patients with IgA nephropathy"Nephrology. 6(in press). (2000)