1999 Fiscal Year Annual Research Report
腎障害進展過程における新規酸化LDL受容体LOX-1の意義
Project/Area Number |
11671028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長瀬 美樹 東京大学, 医学部・附属病院分院, 教務職員 (60302733)
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Keywords | LOX-1 / 酸化LDL / Dahlラット / SHR / TGF-β |
Research Abstract |
1)動物モデルでの検討 ダール食塩感受性ラット(Dahl-Sラット)では、食塩負荷により腎臓におけるLOX-1発現が著明に亢進する。この発現増加は腎皮質に限局しており、免疫組織染色および in situ hybridization によると、腎皮質の糸球体、血管および間質の一部に陽性像が見られた。Dahl-S高食塩ラットに4%コレステロール食を負荷しても、有意な発現の増強は見られなかった。Dahl-S高食塩群では、血圧の上昇、腎障害(血中クレアチニン、尿蛋白排泄量の上昇)および高脂血症を認めた。TGF-β、l型コラーゲンの発現もDahl-S高食塩群の腎臓で増加していたが、LDL受容体、スカベンジャー受容体の発現には変化なかった。Manidipine投与によりDahl-S高食塩群の血圧は正常化、腎障害と高脂血症も改善し、これに伴い腎臓におけるLOX-1,TGF-β,l型コラーゲンの遺伝子発現はいずれも減少した。一方、SHRでは、大動脈におけるLOX-1発現は、Dahl-S高食塩ラットと同様に亢進していたが、腎臓では発現の増加を認めず、血中コレステロール値にも変化なかった。 5/6腎摘腎不全ラットでは血圧と血中コレステロール値の上昇を認めた。LOX-1発現は、5/6腎摘ラットの残存腎で亢進しており、これはAT1受容体拮抗薬の投与により抑制された。 2) 細胞レベルでの検討 培養血管内皮細胞におけるLOX-1の発現は、mechanical stressのほか、TGF-βによって濃度依存性に増加し、さらに酸化LDL,メサンギウム細胞の培養上清によっても増加した。
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