1999 Fiscal Year Annual Research Report
腎障害におけるアナフィラトキシン、C3a、C5aの役割の解明
Project/Area Number |
11671033
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松尾 清一 名古屋大学, 医学部, 講師 (70190410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 和裕 愛知学院大学, 歯学部, 講師
水野 正司 名古屋大学, 医学部, 助手 (20303638)
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Keywords | アナフィラトキシン / ラット実験腎炎 / メサンギウム細胞 / C5aレセプター拮抗ペプチド / 補体 / 好中球 / 血栓形成 |
Research Abstract |
腎臓におけるアナフィラトキシン受容体の局在に関して、我々はC3aレセプターに対する特異抗体でまずその局在を見た。正常の腎臓にはほとんど発現が見られないが、種々の腎疾患のうち、ループス腎炎では糸球体内皮細胞に免疫複合物の部位と一致して発現が確認された。これ以外では抗体による発現の確認は困難で、機能的な研究が重要であると考えられた。 そこで、我々は2つの方法で腎障害におけるアナフィラトキシンの役割の解明を試みた。その第一は、C5aレセプター拮抗ペプチドを用いた実験である。まず6つのアミノ酸から成る拮抗ペプチドがラットでもC5a特異的に働くか否かの実験を行い、ラット好中球に対してC5a特異的な拮抗作用を持つことを確認した。次に、この拮抗ペプチドを用いてラット実験腎炎モデルでその作用を検討した。その結果、この拮抗ペプチドは好中球の浸潤抑制や糸球体内血栓形成の抑制などの作用があり、結果として、ラット腎炎モデルにおいてはアナフィラトキシンの関与が明確にされた。第二には培養メサンギウム細胞を用いて、in vitroの系でアナフィラトキシンの刺激を加えたときの細胞の活性化状態を増殖能、種々のサイトカインの産生能、細胞内シグナル伝達の変化を指標にして検討し、これに拮抗ペプチドを加えて抑制作用を検討する実験を実施中であり、これまでのところアナフィラトキシンによるメサンギウム細胞の活性化と拮抗ペプチドによる抑制効果が実際に存在する結果を得つつある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Masashi Mizuno: "Inhibition of a membrane complement regulatory protein by a monoclonal antibody induces acute lethal shock in rats promed with lipoplysaccharide."Journal of Immunology. 162. 5477-5482 (1999)
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[Publications] Masashi Mizuno: "Comparison of the suppressive effects of soluble CR1 and C5a receptor antagonist in acute arthritis induced by anti-rat CD59 antibody."Clinical and Experimental Immunology. 119. 368-375 (2000)
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[Publications] Yoshiki Morita: "Complement activation products in the urine from proteinuric patients.(in press)"Journal of The American Society of Nephrology. (2000)
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[Publications] 松尾清一: "分担執筆:Annual Review 腎臓1999 腎不全進行と補体"中外医学社. 263 (1999)