1999 Fiscal Year Annual Research Report
硬化性腹膜炎モデルラットにおけるHSP47及びNOの関与と治療法についての検討
Project/Area Number |
11671039
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大園 恵幸 長崎大学, 医学部, 助教授 (90213719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 孝司 長崎大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90128207)
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Keywords | HSP47 / 腹膜硬化 / CAPD / 線維化 |
Research Abstract |
(1) 腹膜透析患者腹膜におけるHSP47の発現 持続携帯式腹膜透析(CAPD)導入時に得られた腹膜組織とCAPD中止時に得られた腹膜組織群を対象とした。HSP47及びコラーゲンIIIは、コラーゲンの増殖による中皮下層の肥厚を認めるCAPD中止群、特に線維化が著明な除水能低下群で、肥厚した中皮下層に強く発現が認められた。マクロファージの浸潤、およびα-smooth muscle actin(SMA)の発現も同様な傾向であった。HSP47の発現は,コラーゲンIII、SMA、マクロファージの発現と正の相関を示し、さらに、難治性腹膜炎の患者腹膜において強く発現していた。CAPD患者におけるHSP47の発現誘導をおこす原因については、現在のところ不明であるが頻回の腹膜炎による慢性の炎症の他、CAPDの透析液の高血糖、高浸透圧、酸性である性質とHSP47との発現との関連について今後の検討を要すると思われる。 (2) ラットの腹膜硬化モデルにおけるHSP47の発現 クロールヘキシジンの腹腔内投与により、ラット腹膜は経時的に腹膜硬化を示し、コラーゲンの発現が増加するに従ってHSP47の発現も増強していた。また、同時にヒトの腹膜硬化症で見られたように、マクロファージの浸潤やSMA陽性のmyofibroblast の増加を伴っていた。このモデルは化学的刺激による腹膜硬化にもかかわらず、ヒトの腹膜硬化像と類似しており、腹膜硬化のモデルとして有用であると考えられた。 これらより、HSP47の発現が、コラーゲンの産生を介して腹膜硬化に強く関連していることが明らかとなり、HAP47が腹膜硬化という観点から見た生体適合性のマーカーと成りうる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shioshita K,Miyazaki M,Ozono Y,Abe K,Taura K,Harada T,Koji T,Taguchi T,Kohno S: "Expression of heat shock proteins 47 and to in the peritoneum of patients on continuous ambulatory peritoneal dialysis"Kidney International. 57. 619-631 (2000)
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[Publications] Abe K,Ozono Y,Migazaki M,Kuji T,Shioshita K,Furusu A,Tsukasaki S,Matsuya F,Hosokawa N,Kohno S: "Jntershitial expression of heat shode phtein47 and α-Smooth muscle actin in renal all ograft failure"Nephrdogy Dialysis Transplantation. 印刷中.
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[Publications] 潮下敬、宮崎正信、芦洋府美子、三島陽子、三宅千恵、大園恵幸、原田孝司、田口尚、河野茂: "培養ひと腹膜中皮細胞におけるHeat Shock Pnteir47(HSP47)の発現の検討について"腹膜透析99'(腎と透析別冊). 47. 240-243 (1999)