2000 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイドホルモンによるナトリウム輸送体の制御:核を介する作用と介さない作用
Project/Area Number |
11671043
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
武藤 重明 自治医科大学, 医学部, 講師 (40190855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江幡 理 自治医科大学, 医学部, 助手 (70265247)
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Keywords | コルチコステロン / 血管平滑筋細胞 / 細胞内pH / Na / H交換輸送体 / Cキナーゼ / 細胞骨格 / 膜受容体 |
Research Abstract |
正常ラット胸部大動脈より単離、培養した血管平滑筋細胞(VSMC)を用い、corticosterone(Cor)のNa/H交換輸送体活性(NHE)への作用とその細胞内機序を検討した。細胞内pH(pHi)はpH感受性蛍光色素であるBCECF/AMを用い、NHE活性は細胞内酸性化後のNa依存性pHi回復速度(dpHi/dt)によって評価した。Cor(1μM)を投与すると、3時間後ではpHiおよびNHE活性の増加、24時間後では逆にpHiおよびNHE活性の低下を認めた。蛋白合成阻害薬であるcycloheximide、mRNA転写阻害薬であるactinomycin DはいずれもCorの24時間後のNHE活性への作用を抑制したが、3時間後の作用には全く影響を与えなかった。グルココルチコイド受容体(GR)拮抗薬のRU38486は3時間後、24時間後のNHE活性への作用を抑制したが、ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬のspironolactoneはいずれの作用も影響しなかった。protein kinase C(PKC)の阻害薬(staurosporine、calphostin C)やphorbol ester(PMA)の24時間投与によるPKCの枯渇状態ではCorの3時間、24時間後のNHE活性への作用はいずれも抑制された。PKC活性化薬のPMAを3時間単独投与すると、Cor3時間投与後と同様NHE活性亢進を認めた。Corの3時間後のNHE活性刺激作用はmicrotubuleの破壊薬のcolchicineで抑制されたが、actin filamentの破壊薬のcytochalacine Bでは影響されなかった。NHE(NHE-1)mRNAレベルはCor投与3時間後では不変であったが、24時間後では0.6倍に低下した。VSMC膜表面にはCor結合部位が存在し、RU38486はCorの膜表面への結合を抑制した。以上より、1)Cor投与3時間後のNHE活性刺激作用は核を介さない機序(non-genomic mechanism)、Cor投与24時間後のNHE活性抑制作用は核を介する機序(genomic mechanism)、によって起こる;2)Cor投与3時間後のNHE活性刺激作用はPKCの活性化、細胞骨格系(microtubule)、Cor表面受容体、を介して起こる;3)Cor投与24時間後のNHE活性抑制作用はPKC活性化、GRを介して起こる、ことが明らかになった。
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Research Products
(1 results)