2000 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体腎炎における発症機序の解明(IgA腎症とFcαRの関係を中心に)
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11671049
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Research Institution | JUNTENDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
富野 康日己 順天堂大学, 医学部, 教授 (60130077)
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Keywords | IgA腎症 / Fcαレセプター / 遺伝子多型 / プロモーター領域 / SNP |
Research Abstract |
背景:近年Fcレセプター(FcR)が糸球体腎炎の発症機構において重要な働きをしていることが明らかになった。IgA腎症においてはFcαRの役割が注目されており、今までに本疾患においてはその発現様式の特殊性が報告されている。最近、我々はFcαRのプロモーター領域に2箇所(転写開始点から-114bp,+56bp)の遺伝子多型(C/C,C/T,T/T)を同定し、これら多型によってプロモーター活性が異なることを見い出した。今年度我々はIgA腎症患者におけるこれら遺伝子多型の頻度を解析し、その意義を検討した。 方法および結果:90名のIgA腎症患者(IgAN)、50名の他の原発性糸球体腎炎患者(other GN)、83名の健常者(healthy)の末梢血よりDNAを抽出し、PCR,direct sequenceにて塩基配列を決定した。さらにRFLP法を行いgenotypeを確認した。IgA腎症患者群における+56bpのgenotypeの頻度はC/Cが他の2群と比較して有意に高く(IgAN(27.8%)vs other GN(10.0%)・healthy(9.6%))、またallele頻度ではC alleleが有意に高かった(IgAN(0.511)vs other GN(0.350)・healthy(0.337))。また、-114bpにおいても、IgA腎症患者でC/C genotypeまたはC alleleの頻度が有意に高かった(IgAN(15.6%)vs other GN(4.0%)・healthy(2.4%))。 考察:FcαRのプロモーター領域に、IgA腎症患者に特異的に高頻度に認められる遺伝子多型を検出した。この部位は、いずれもFcαRの発現に影響を及ぼす可能性のある領域であり、この遺伝子多型はIgA腎症の原因あるいは進展に関与している可能性が示唆された。
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