2000 Fiscal Year Annual Research Report
免疫複合体型糸球体腎炎の発症・進展の制御に関する研究
Project/Area Number |
11671058
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University, (TWMU) |
Principal Investigator |
新田 孝作 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50241071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 啓子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60246478)
川嶋 朗 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (20224769)
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Keywords | CD28 / CTLA-4 / Costimulatory molecules / Glomerulonephritis / Mice |
Research Abstract |
野生型(Wild-type)マウスとCD28分子欠損(CD28KO)に抗基底膜抗体糸球体腎炎およびgraft-verusus-host reaction(GVHR)を惹起したところ、CD28KOマウスでは糸球体病変がほぼ完全に抑制された。よって、免疫複合体型糸球体腎炎の発症には、CD28分子を介する補助シグナルが重要な役割を果たしていると考えられた。そこで、免疫複合体型糸球体腎炎の発症を阻止する方法を確立することにした。そのために、B7/CD28分子シグナルを阻害するCTLA4Igを投与することにより実験腎炎の発症を抑制できるかどうかを検討することにした。6週齢の自然発症IgA腎症モデルであるddYマウスにhuman IgG(コントロール群)とhuman CTLA4Ig(実験群)を100μgの割合で週2回、腹腔投与した。15週目と40週目の血清Cr値と24時間尿蛋白量、血清IgA値および腎糸球体組織所見を観察した。その結果、コントロール群では、15週目と40週目の比較で尿蛋白量の有意な増加を認めたが、実験群では有意な増加がみられなかった。いずれの群においても、血清Cr値の増加は認められなかった。一方、コントロール群に比し実験群では、40週目における血清IgA値が有意に低下していた。それに伴って、実験群ではメサンギウム増殖は軽度で、糸球体へのIgA沈着も低下していた。これらの結果より、ddYマウスの糸球体病変の発症を阻止するために、CD28分子を介する補助シグナルを制御することが重要と考えられた。
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[Publications] Ogawa S,Nitta K et al.: "CD28 knockout mice as a useful clue to examine the pathogenesis of chronic graft-versus-host reaction"Kidney International. 58. 2215-2220 (2000)
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[Publications] Nitta K et al.: "Resistance of CD28-deficient mice to anti-glomerular basement membrane glomerulonephritis"Journal of American Society of Nephrology. 10. 556A (1999)