2000 Fiscal Year Annual Research Report
圧力負荷によるメサンギウム細胞増殖にケモカインや血管作動性物質は関与するのか?
Project/Area Number |
11671065
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health |
Principal Investigator |
筬島 明彦 産業医科大学, 医学部, 講師 (50248564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 昌博 産業医科大学, 医学部, 講師 (40233316)
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Keywords | 培養メサンギウム細胞 / 圧力負荷 / MCP-1 / アドレノメジュリン / Aキナーゼ / cAMP / MAPキナーゼ |
Research Abstract |
<目的>糸球体高血圧状態において、メサンギウム細胞(MC)は圧力負荷を受けていると考えられる。既に申請者は、圧力負荷によりprotein kinaseCやtyrosine kinaseを介してMCが増殖し、これを降圧利尿ペプチドであるアドレノメジュリン(AM)が抑制することを報告した(Am.J.Physiol.277:F105,1999;Nephron83:352,1999;平成9,10年度科学研究費実績報告済)。さらに圧力負荷によりMC内にMAPキナーゼを介してMCP-1が発現することを報告した(論文投稿中;平成11年度科学研究費実績報告済)。今回、圧力負荷の培養ラットMCにおけるMCP-1発現に及ぼすAMの効果について検討した。<方法>開発済の圧力負荷装置を用い、MC(5〜9代)に圧を加え以下の検討を行った。1、圧力負荷によるMCP-1mRNAの発現に対するAMの濃度依存性(RT-PCR法)2、圧力負荷によるMCP-1mRNAの発現に対するforskolin及びcAMPの効果(RT-PCR法)3、圧負荷による培養上清中のMCP-1蛋白に及ぼすAMの効果(ELISAキット)4、圧負荷によるMAPキナーゼに及ぼすAMの効果(Western blotting)<結果>1、圧力負荷(80mmHg,10分)によるMCP-1mRNA発現をAMは濃度依存性に抑制した。2、圧力負荷によるMCP-1mRNA発現をforskolin及びcAMPは濃度依存性に抑制した。3、AM存在下で圧負荷による培養上清中のMCP-1蛋白は有意に抑制された。4、AM存在下で圧負荷によるMAPキナーゼ活性は有意に抑制された。<考察>AMは圧力負荷によるMCP-1の発現を抑制し、その機序にAキナーゼとMAPキナーゼとのcross-talkの存在が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hiroaki Kato et al.: "Involvement of PDGF in pressure-induced mesangial cell proliferation through PKC and tyrosine Kinase pathways"American Journal of physiology. 277. F105-F112 (1999)
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[Publications] Akihiko Osajima et al.: "Adrenomedullin Inhibits Transmural Pressure Induced Mesangial Cell Proliferation through Activation of Protein Kinase A"Nephron. 83. 352-357 (1999)