2000 Fiscal Year Annual Research Report
核受容体PPAR-γによる脈管作動性ホルモン受容体遺伝子転写調節機構の解明
Project/Area Number |
11671079
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山岸 俊夫 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70322758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 和久 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40260426)
伊藤 貞嘉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40271613)
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Keywords | PPAR-γ / アンジオテンシン / 転写調節 / トログリタゾン / プロスタグランジン |
Research Abstract |
我々は昨年度までにPPAR-γリガンドであるチアゾリジン系薬剤や15-deoxy-Δ^<12,14>-PGJ_2がPPAR-γの活性化を介して血管平滑筋細胞(VSMC)におけるアンジオテンシンIIタイプ1受容体(AT1R)の発現を遺伝子転写レベルで抑制することを明らかにした。今年度はその分子メカニズムを以下の実験により明らかにした。1)AT1R遺伝子のプロモーターの種々のdeletion mutantsを用いた実験より、プロモーターの-58から-34の領域においてPPAR-γリガンドによる抑制が生じることが明らかとなった。2)-58から-34の領域をプローブに用いて、VSMC核タンパクとの間の結合をゲルシフトアッセイにて解析したところ、-58から-34の領域内のGCbox様配列との間にタンパク-DNA複合体の形成が認められた。3)抗Sp1抗体を用いたところ、この複合体の大部分がスーパーシフトされたことから、VSMC内のSp1が-58から-34の領域内のGCbox様配列に結合することが推定された。4)VSMCにSp1やPPAR-γを過剰発現させた実験より、Sp1が-58から-34の領域を介して転写活性を上昇させる一方で、PPAR-γの過剰発現によりSp1による転写上昇の抑制が生じることが認められた。以上の結果よりPPAR-γは、Sp1によるAT1R遺伝子プロモーターの-58から-34の領域における転写上昇を抑制することにより、AT1R遺伝子の転写抑制を生じるものと推定された。
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