2000 Fiscal Year Annual Research Report
新しいヒトTSH産生下垂体細胞株CHP2を用いたTSH遺伝子転写調節機構の解析
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11671084
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩崎 泰正 名古屋大学, 医学部, 講師 (30303613)
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Keywords | 甲状腺刺激ホルモン / 下垂体 / 遺伝子転写調節 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、CHP2細胞における甲状腺刺激ホルモン(TSH)α-ならびにβ-subunit遺伝子の発現調節に関し検討を加えた。今回新たにthyrotroph特異的な因子の発現を検討したところ、甲状腺ホルモン受容体TRβ_2や、GATA2の内因性mRNAの発現が認められた。また内因性α-subunitならびに導入α-subunit遺伝子プロモーターの良好な発現も確認され、かつcAMP/PKA系による調節も保たれていた。一方β-subunit遺伝子に関しては、昨年度に作成したPit-1,Prop-1,およびGATA2の発現ベクターを導入した条件下で内因性β-subunitならびに導入β-subunit遺伝子プロモーターの発現を検討した結果、いずれの因子の存在下においても良好な発現は認められなかった。今後更なる検討が必要と思われる。全体として、今回の我々の検討でCHP2細胞がα-subunit遺伝子を内因性に発現している事実が確認されたことは、本細胞が基本的に糖蛋白ホルモン産生下垂体細胞のpropertyを保持していることを強く示唆しており、今後本細胞を下垂体の幹細胞として、thyrotrophをはじめとする各種ホルモン産生細胞に分化誘導する試みを進める予定である。
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