2000 Fiscal Year Annual Research Report
ベータセルリンによる膵β細胞分化誘導機構:転写因子paxファミリーの解析
Project/Area Number |
11671087
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮川 潤一郎 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00127721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々田 玲子 武田薬品工業株式会社, 医薬開拓研究本部・開拓第二研究所, 主任研究員
東山 繁樹 大阪大学, 医学部, 助教授 (60202272)
山本 浩司 大阪大学, 医学部・附属病院, 助手 (60304060)
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Keywords | β細胞 / 糖尿病 / 再生 / 分化 / ベータセルリン / 転写因子 / Pax6 |
Research Abstract |
膵内分泌細胞の発生には転写因子が、種々の過程において重要は働きをしており、なかでもPax family特に、Pax6およびPax4は膵β細胞の最終分化に重要である。本研究は、胎児期の膵発生における各種転写因子の発現パターンを確認しつつ、糖尿病膵におけるβ細胞再生(新生・分化)過程やin vitroの実験系におけるPax familyの役割を解明することを目的としたものである。In vitroの実験系として、ベータセルリンによりインスリン産生細胞に分化誘導可能なAR42J細胞を用い、Pax4およびPax6のdominant negative遺伝子の導入を試み、その役割についての解析をめざしたが、stable transfectantの獲得は困難であった。β細胞の枯渇した糖尿病膵組織においては、主に膵導管細胞が内分泌前駆細胞となりβ細胞新生機転が惹起されるが、その際、新たにβ細胞の分化に重要な転写因子群(PDX-1,Islet1,Nkx6.1,Pax6など)やHNFfamilyの一部の発現がみられ、胎生期の膵内分泌細胞の発生過程に類似した現象が起こることが明らかとなったが、Pax4の発現については確認できず、成体膵におけるβ細胞新生機転におけるPax4の役割については不明であった(投稿中)。また、β細胞分化誘導因子と考えられるベータセルリンを糖尿病モデルマウスに投与し、耐糖能の改善に加え、β細胞新生・分化現象が促進されることを確認した(Diabetes49:2021,2000)。ベータセルリン投与時のβ細胞新生・分化過程を分析したところ、膵導管細胞において膵発生における転写因子群と類似した転写因子の発現がみられ、胎生期と同様の過程が促進されることを明らかにした。一方、膵内分泌細胞の再生モデルの1つとして、膵導管結紮モデルが存在し、同様の解析を試みた。同モデルにおいては、処置後にマクロファージの浸潤が認められ、同細胞由来のIL-6等のサイトカインが膵内分泌細胞分化誘導の引き金となっている可能性が示唆され、β細胞が特異的に破壊ないし障害される糖尿病状態におけるβ細胞新生機転とは異なる過程が存在する可能性が考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yamamoto K.,Miyagawa J.,Waguri M., et al.: "Recombinant human betacellulin promotes neogenesis of β-cells and ameliorates glucose intolerance in mice with diabetes induced by selective alloxan perfusion"Diabetes. 49. 2021-2027 (2000)
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[Publications] Imagawa A.,Hanafusa T.,Miyagawa J., et al.: "A proposal of three distinct subtypes of type 1 diabetes mellitus based on clinical and pathological evidence."Ann Med. 32. 527-531 (2000)
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[Publications] Yang Q.,Yamagata K.,Yamamoto K.,Cao Y.,Miyagawa J., et al.: "R127W-HNF-4α is a loss of function mutation but not a rare polymorphism and causes Type II diabetes in a Japanese family with MODY1."Diabetologia. 43. 520-524 (2000)
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[Publications] 宮川潤一郎: "膵β細胞の再生能"Medical Practice. 17・1. 106-107 (2000)
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[Publications] 今川彰久,森脇信,花房俊昭,宮川潤一郎: "1型糖尿病膵の細胞生物学と病態"細胞. 32・12. 448-451 (2000)
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[Publications] 宮川潤一郎,山本浩司: "膵β細胞の再生促進療法"Molecular Medicine. 38・1. 62-67 (2001)