1999 Fiscal Year Annual Research Report
副腎アンドロジェンのインスリン抵抗性改善作用に関する研究
Project/Area Number |
11671093
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
関原 久彦 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80126094)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 達也 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (90205659)
|
Keywords | 糖尿病(db / db)マウス / G6Pase / 副腎アンドロジェン / DHEA |
Research Abstract |
糖尿病db/dbマウスはヘテロ型(db/+m)非糖尿病マウスに比し,高血糖にもかかわらず,肝におけるglucose-6-Phosphatase(G6Pase)及びfructose-1,6-bisphosphatase(FBPase)の活性が上昇しており,DHEA投与により血糖低下及び両酵素の活性の正常化が認められた.血糖値正常のdb/+mマウスにおいてもDHEAにより両酵素活性の低下が認められることにより,このDHEAによる酵素活性の変動は,血糖値の変動によってもたらされるものではなく,DHEAが直接何らかの機序によりこれらの酵素の活性を抑制するために起こる現象と考えられる.アンドロステンジオンには,両酵素の抑制作用が認められないことから,この現象はDHEAの代謝産物によるものではなくDHEAそのものによる直接作用と考えられた(Diabetees48:1579,1999).次に,DHEAのG6Pase抑制作用の機序を分子レベルで解明するため,DHEA投与によるG6Pase,mRNAの発現への影響を検討した.db/dbマウスのG6Pase mRNAの発現は,ヘテロ型(db/+m)マウスに比べ有意に増加していた.DHEAは,db/dbマウスのG6pase mRNAの発現を抑制した.この結果は,DHEAがG6Pase mRNAの発現調節因子であることを示している.来年度も更に詳細な検討を加える.
|