2000 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性細小血管症の成因としての蛋白質糖化反応メカニズムの解明-糖化反応中間体代謝酵素の遺伝子ターゲッティング-
Project/Area Number |
11671116
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮田 哲 神戸大学, 医学部, 助手 (20304090)
|
Keywords | 糖尿病合併症 / 細小血管症 / 糖化反応 / 3-デオキシグルコソン / ジカルボニル化合物 / アルデヒド還元酵素 / 遺伝子ターゲッティング |
Research Abstract |
糖尿病で形成が亢進する糖化反応中間体3-deoxyglucosone(3-DG)は、高反応性のジカルボニル化合物で細胞障害性を有しているため糖尿病細小血管症進展の原因物質となり得ることが提唱されている。これに対する生体内防御機構として、3-DGを非活性物質に代謝するアルデヒド還元酵素(ALR)の重要性が指摘されていることから、本研究ではこのALRのノックアウトマウスを作製することによって3-DG代謝機構と細小血管構成細胞に現れる機能変化との関係を解析することを目的としている。平成11年度にクローニングしたマウスALR cDNAの塩基配列情報からコドン開始部位を含むプローブを作製し、今年度はこれを使ってマウス肝ゲノムライブラリーからハイブリダイゼーション法によってゲノムDNAのスクリーニングを行った結果、ほぼ全長のALRゲノムDNAを得ることができ遺伝子地図を作製した。それを元にエクソン2〜5部分で相同組換えを起こすために必要なゲノム領域のDNAをサブクローニングし、欠失させる上記部分をネオマイシン耐性遺伝子で置き換えたターゲティングベクターを作製した。同時に、遺伝子導入されたES細胞の中から相同組換えを起こした細胞を有効にスクリーニングすることができるようなサザンブロット用プローブをターゲティングベクターコンストラクトの5'側および3'側のDNA配列から選択した。 今後は、このターゲティングベクターを導入したES細胞から上記プローブによって選択された相同組換え体ES細胞をマウス胚にマイクロインジェクションしてキメラマウスを作製後引き続きノックアウトマウスを確立し、その動物における3-DGの代謝変化とそれに伴う細小血管の機能変化を解析する。
|