1999 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタサイクリン産生刺激因子(PSF)と糖尿病性血管障害に関する研究
Project/Area Number |
11671127
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梅田 文夫 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80150431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 俊彦 九州大学, 医学部, 助手 (20198683)
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Keywords | PSF / プロスタサイクリン / 網膜症 / 糖尿病 / 糖尿病性血管合併症 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
プロスタサイクリン産生刺激因子(PSF)は動脈硬化巣での発現が低下していたことから、動脈硬化の発症・進展に重要な役割を演じている酸化LDLの構成成分であるlysophosphatidylcholine(L-PC)のPSF発現に及ぼす効果について検討した。L-PCは培養血管平滑筋細胞におけるPSF発現を50mMの濃度で抑制した。この抑制作用は、protein kinase C(PKC)の阻害薬であるcalphostinにより阻害された。以上から、L-PCはPKCの活性化を介してPSF発現を低下させる機序が考えられた。 PSFをアデノウイルスベクターに組み込んで種々のmammalian cellに発現を行っており、現在肝細胞癌由来の細胞株であるHepG2で最も効率よく発現していた。現在、このウイルスベクターを用いてPSFのin vivo導入を準備中である。 PSF発現と網膜症との関連性を検討する目的で、網膜血管内皮細胞や周波細胞におけるPSF発現を調べた。網膜血管内皮細胞や周波細胞はPSFを強く発現していた。血管内皮細胞のPSFは血清の除去、PKC刺激薬、低酸素状態で発現が低下した。一方、低酸素状態で発現が増強する成長因子であるvascular endothelial cell growth factor(VEGF)は、増殖網膜症の発症因子として重要であるが、VEGFがPSF発現を増強させる成績ほ得ており、PSFと網膜症の関連性を示唆する成績である。
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