1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671128
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩瀬 正典 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00203381)
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Keywords | 糖尿病 / 膵ランゲルハンス氏島 / 微小循環 / モデル動物 / マイクロスフェア / インスリン / 局所血流量 / 肥満 |
Research Abstract |
膵ランゲルハンス氏島(ラ氏島)は豊富な血流支配を受けており、外分泌組織とは独立して調節されている。ラ氏島の微小循環はラ氏島細胞の機能や代謝の維持に重要であるばかりではなく、インスリンをはじめとしたラ氏島ホルモンの標的臓器への到達にも重要である。平成11年度はラ氏島微小循環の基本的な指標であるラ氏島血流量に注目して、糖尿病状態におけるラ氏島血流量について研究を行った。ラ氏島血流量はカラーマイクロスフェアを用いたreference sample法で測定した。OLETFラットは加齢に伴い肥満と糖尿病を発症する。OLETFラットのラ氏島血流量は5週齢という若い時期に対照ラットの2倍に増加していた。しかし、肥満が明らかとなった6ヶ月齢ではOLETFラットのラ氏島血流量はグルコース負荷後は対照ラットより増加していたが、基礎状態では有意差がなかった。さらに、スクロース負荷により糖尿病状態を悪化させると、OLETFラットのラ氏島血流量はグルコース負荷後も対照ラットと有意差がなくなった。一方、食餌制限により、肥満や糖尿病の発症を予防すると、OLETFラットのラ氏島血流量は対照ラットより有意に上昇していた。以上の結果より、糖尿病モデル動物では早期よりラ氏島血流量が増加しており、糖尿病の発症により減少することが明らかとなった。ラ氏島血流の増加は糖尿病発症に伴うラ氏島機能の低下に代償的に働く可能性がある。今後は、ラ氏島血流量増加のメカニズムの解明を行うとともに、in vivo microscopyによりラ氏島毛細血管密度の解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)