2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671128
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩瀬 正典 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (00203381)
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Keywords | 糖尿病 / 膵ランゲルハンス氏島 / 微小循環 / 経口血糖降下薬 / 糖尿病動物 / マイクロスフェア / コレシストキニン / 消化管ホルモン |
Research Abstract |
1ナテグリニドがラ氏島血流量に及ぼす影響 最近、種々の作用機序を有する経口血糖降下薬が開発され、臨床応用されている。その中でもアミノ酸誘遺体であるナテグリニドは速効性にインスリン分泌を惹起し、食後血糖を主として低下させる。その急速なインスリン分泌促進作用にはラ氏島血流への作用が関与する可能性が考えられる。私はこの可能性を検討するため、ナテグリニド投与前後でラ氏島血流量を測定した。糖尿病モデル動物として我が国で開発されたOLETFラットを用いた。麻酔下のラットを用いて、我々が開発したtwo-color microsphere法にてラ氏島血流量を測定した。その結果、ナテグリニド投与直後に正常ラットのラ氏島血流量は有意に上昇したが、糖尿病ラットのラ氏島血流量の増加は有意ではなかった。インスリン分泌促進薬がラ氏島血流増加作用を有することを初めて見出した。ナテグリニドの速効性インスリン分泌促進作用の一部はラ氏島血流量の増加作用を介することが推測された。糖尿病モデルでナテグリニドによるラ氏島血流増加作用が明らかでなかったことは糖尿病におけるラ氏島微小循環に異常が存在することを示している。糖尿病状態ではラ氏島微小循環の異常が存在することが知られているが、インスリン分泌促進薬に対する反応も低下していることが示された。 2消化管ホルモンとラ氏島血流量 消化管ホルモンはインスリン分泌促進作用を有し、インクレチン作用として知られている。GIPやGLP-1がラ氏島血流量を増加させることは知られているので、私は膵外分泌促進作用を有するコレシストキニン(CCK)がラ氏島血流に及ぼす影響を検討した。その結果、CCkは膵血流量とともにラ氏島血流量を著明に増加させた。現在、その機序について検討中である。
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