1999 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋細胞の糖輸送におけるATP感受性カリウム(KATP)チャネルの生理的意義
Project/Area Number |
11671138
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
稙田 太郎 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (70038850)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 ちづる 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90307497)
|
Keywords | ヒト骨格筋細胞 / 糖取り込み / ATP感受性Kチャンネル / PCO-400 / nicorandil / glibenclamide / gliclazaide |
Research Abstract |
虚血性心臓病を有する2型糖尿病患者に、冠拡張薬nicorandil(N)を投与すると、血糖コントロールが悪化することを観察した。NはKチャネル開口薬(KCO)であることから、インスリン(In)分泌障害によると想定されたが、In分泌には影響なく、In抵抗性を来たす結果であることが明らかになった(Taro Wasada et al. Metabolism 48:432,1999).そこで、[目的]in vitroにおいて、骨格筋の糖取り込みにおけるKCの関与を検討した。[方法]ヒト骨格筋細胞株(Clonetics社)を増殖,分化させた筋管細胞を用い,In(1μM)および高糖G(25mM)存在下の^3H-2DG,^3H-3OMGの取り込み率に及ぼすKCO:PCO-400,Nとその抑制薬glibenclamide(GB),gliclazaide(GC)の効果を検討した。[結果]Inおよび高G(In非存在下)による糖取り込み促進(130%,168%)はいずれもPCO-400(10-100μM),N(100-600μM)の添加により用量反応的に抑制された。一方,これらの抑制効果はGB(30-100μM),GC(〜3000μM)の前処置で拮抗された。[総括]骨格筋への糖取り込みは,KCの閉鎖により促進,開口により抑制された。この結果は,臨床的にNの投与により耐糖能とIn感受性の低下を示した先の我々のin vivoの成績と一致する。一方,高GはInと同様の影響を受けたことから,KCは両者に共通するシグナル伝達ステップ(細胞内Ca濃度あるいはPKC活性化以降?)を調節する可能性が示唆され、さらに研究を進めている。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Taro Wasada: "Adenosine Triphosphate-Sensitive Potassium Channels Are Involved in Insulin-Mediated Glucose Transport in Humons"Metabolism. 48(4). 432-436 (1999)
-
[Publications] Taro Wasada: "Effects of Potassium channel Openers on Glucose Uptake by Cultured Human Skeletal Musele Cells"Diabetes. 48(Suppl1). A259 (1999)