1999 Fiscal Year Annual Research Report
細菌感染におけるCD14の意義と初期シグナル伝達分子の検索および制御
Project/Area Number |
11671171
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
泥谷 直樹 大分医科大学, 医学部, 助手 (80305036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 恵子 大分医科大学, 医学部, 助手 (00291542)
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Keywords | CD14 / HUVEC / TLR4 / LPS |
Research Abstract |
グラム陽性菌(グ陽菌)に対するCD14の反応性のin vitro解析:腹腔レジデントおよびチオグリコレート刺激MΦはグ陽菌死菌によるin vitro刺激に対しTNF-αおよびIL-6を遊離する。しかし、CD14ノックアウトマウス(KO)のMΦはこれらのサイトカインの遊離は低い。いっぽう、脾細胞刺激ではKOが野生型に比べより高い成績を得た。グ陽菌に対するCD14の反応性のin vivo解析:KOはLD100に相当するグ陽菌の感染によりTNF-αおよびIL-6の血中への遊離を示す。しかし、in vitroと異なり野生型にグラム陰性菌投与時におけるTNF-α遊離に比べ非常に低く(IL-6では2/3程度)、さらにKOでより強い遊離が観察され、in vitroにおける脾細胞と同一の傾向が観察された。LPSのクレアランスにおけるKOMΦの機能:in vitroにおけるMΦのLPS結合性はKO MΦでは低レベルで、MΦのinternalizeも少ないことを観察した。in vivoにおけるLPSの結合性について:LPSの血中クレアランスをリムルス法で検討し、野生型およびKOマウスで違いが見られないことを観察した。 TLR遺伝子発現解析:ヒト臍帯血管培養細胞(HUVEC)、ヒト抹消血単球(PBMC)およびMΦ細胞株THP-1における発現:種々の濃度のLPS刺激後における発現をRT-PCR法で検索した。TLR1およびTLR4mRNA発現は全ての細胞に見られた。TLR2RNA発現はPBMCおよびTHP-1では強いが、HUVECでは殆ど見られなかった。TLR5およびRP105RNA発現はPBMCおよびTHP-1で見られるが、HUVECでは見られなかった。TLR4発現はFlow cytometry法(FCA)でも観察され、発現はLPS刺激で亢進した。HUVECのLPS刺激によるEセレクチン発現におけるTLR4の意義:LPS刺激によりHUVECのEセレクチンmRNA発現は亢進するが、この亢進は抗TLR4に対する単クローン抗体(mAb)により抑制された。しかし、抗RP105mAbでは抑制されなかった。FCAでも同様な成績が見られた。抗CD14mAbでは完全に抑制された。HUVECのLPS刺激によるIL-6遊離におけるTLP4の意義:LPS刺激によりHUVECのIL-6遊離は亢進するが、この亢進は抗TLP4mAbにより抑制された。抗CD14に対するmAbでは完全に抑制された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Haziot,A.: "CD14 plays no major role in shock induced by Staphylococcus aureus"J.Immunol.. 162(8). 4801-4805 (1999)
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[Publications] Gangloff,S.C.: "Lipopolysaccharide structure influences the macrophage response"Clin.Infect.Dis.. 28(3). 491-4916 (1999)
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[Publications] Yamamoto,S.他: "ADAM family proteins in immune system"Immunol.Today. 20(5). 278-284 (1999)
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[Publications] 泥谷直樹: "感染症におけるCD14の機能"Molecular Medicine. 36(5). 476-486 (1999)
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[Publications] Eubanks,J.W.: "Acute pancreatitis induces cytokine production in endotoxin-resistant"Ann.Surg.. 227(6). 904-911 (1998)
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[Publications] Haziot,A,: "Role of CD14 in infection:studies in CD14-deficient mice,"Prog.Clin.Biol.Res.. 397. 255-260 (1998)
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[Publications] Haziot,A,: "Role of CD14 in infection:studies in CD14-deficient mice."Wiley-Liss. 6 (1998)
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[Publications] 泥谷直樹: "LPSシグナル伝達分子Toll-like receptor(TLR)の血管内皮細胞における発現"菜根出版(印刷中).