1999 Fiscal Year Annual Research Report
輸血による同種免疫反応と免疫修飾:マイクロキメリズムからの解析
Project/Area Number |
11671173
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
大戸 斉 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (20150279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
色摩 弥生 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (40291562)
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Keywords | マイクロキメリズム / 免疫修飾 / 同種免疫 / 輸血 / 胎児 / 外科手術 / 遺伝子増幅 |
Research Abstract |
<背景と目的>輸血によって腎移植成績の向上、癌免疫の抑制、術後易感染性などが観察されるが、その機序の一つに輸血血液中のリンパ球、造血幹細胞に由来するマイクロキメリズムの成立が関与すると想定されている。この研究の目的は免疫修飾現象とマイクロキメリズムの関連を特に同種免疫の観点から解明しようとするものである。 <本年度の研究実績> 1.妊娠・分娩に伴う母体血中胎児由来細胞のマイクロキメリズム 輸血歴を有さない男児妊娠女性20名を対象に、EDTA血からY染色体(SRY)を増幅した。^<32>P-標識プローベにて増幅産物の確認を行った。その結果児由来細胞は2個/ml(妊娠初期)、6個/ml(中期)、12個(後期)で分娩直前では40個/mlに急増し、分娩後急速に減少することが判明した。 2.外科手術輸血患者の同種免疫反応 外科手術の際に輸血を受けた101名を対象に輸血前、一日後、7日後、14日後の同種免疫をリンパ球細胞毒試験にてモニターした。うち8名(8%)は術前より抗体陽性で、術後1日に1名、7日に5名、14日に10名が陽転した。
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