1999 Fiscal Year Annual Research Report
家族性内分泌腫瘍の発症前診断と遺伝子解析の臨床応用
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11671174
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
岩崎 博幸 横浜市立大学, 附属・市民総合医療センター総合外科, 講師 (90254177)
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Keywords | MEN-I / MEN-II / 副甲状腺腺腫 |
Research Abstract |
I、MEN-1遺伝子異常の検索 (今までの経過)内分泌腫瘍におけるMEN-1遺伝子のLOHは、ほぼ3分の1の症例に認められたが、副甲状腺腺腫16例中2例においては、エクソン2と4にそれぞれ点変異とフレーム欠損があることが判明した。 [今年度分かったこと] 1、保存してある内分泌腫瘍のDNAからMEN-1遺伝子変異をすべて検索した結果、2例に遺伝子変異を認めたが(4.2%)、その頻度は家族性のMEN-1(ほぼ100%)に比較すると極めて低かった。 2、副甲状腺腫瘍を効率的に発見するために、臨床的にメチレンブルーによる染色と99mTcMIBIを静注後、γプローブで検出して摘出することにより、小さな副甲状腺腺腫まで手術的に摘出することができるようになったため、今まで分からなかった腺腫の成長過程で初期のLOHや変異が調べられるようになった。 II、家族性甲状腺髄様癌症例の家系調査 (今までの経過)患者数3名、保因者2名の甲状腺髄様癌1家系において、コドン609の変異が認められた。保因者の甲状腺精査を行い、髄様癌の発症の有無を調べる。 [今年度分かったこと] 甲状腺髄様癌の1家系(K)において、褐色細胞腫の罹患者はいなかったため、現在のところMEN-IIaへの移行は認められなかった。SSRP統計ソフトにより、この家系における病気の浸透率は、データ個数不足で算出できなかった。これは、家系の構成員のうち髄様癌の患者以外は、病気に関して興味がないこととDNA検査に対する偏見があり、遺伝子検索が進まなかったためであり、今後も解析を続ける。
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