1999 Fiscal Year Annual Research Report
末梢血幹細胞の分子生物学的特性を利用した新たな臓器移植免疫寛容誘導法の開発
Project/Area Number |
11671179
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
高 済峯 奈良県立医科大学, 医学部・第1外科, 助手 (80305713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金廣 裕道 奈良県立医科大学, 医学部第1外科, 助教授 (30204580)
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Keywords | 末梢血幹細胞 / 臓器移植 / 免疫寛容 / 骨髄移植 |
Research Abstract |
Allogeneicドナーの幹細胞を無処置のレシピエントに注入しても、生着は得られず、なんらかのレシピエント前処置が必要と考えられた。そこで、ラットの骨髄幹細胞を生着させるため、レシピエント前処置のプロトコール設定を試みた。ドナーとなるラットの大腿骨から骨髄細胞を分離して、骨髄細胞浮遊液を作成した。抗CD3抗体を用いてT cell depletionを行なったのち、Total body irradiation(TBI)によって前処置したレシピエントに移植した。TBIのdoseをさまざまに変えて上記の骨髄細胞の移植を行なったところ、TBIが7Gy以下では骨髄幹細胞は生着せず、11Gyの前処置で安定した生着が得られた。ドナーの造血細胞のre-populationを、ドナーのMHCに対するモノクローナル抗体を用いてフローサイトメトリーで確認したところ、移植後30日には、末梢血の白血球は97%以上がドナータイプとなっていた。これらのドナー細胞はCD3陽性、CD45RC(OX-22)陽性、3.2.3.(NK細胞)陽性細胞を含んでおり、multi-lineageであることも確認できた。これらの骨髄細胞レシピエントは、骨髄ドナーのstrainからの心移植片を免疫抑制なしに受容した。今後は、移入幹細胞としてG-CSF mobilized peripheral blood stem cellsを分離し、より臨床応用に近いプロトコールでの幹細胞生着のプロトコールを開発していきたい。
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