1999 Fiscal Year Annual Research Report
可溶性CD40ligandのヒト乳癌細胞に対する生物学的効果の検討
Project/Area Number |
11671189
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
平野 明夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80307462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船越 哲 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80229096)
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Keywords | CD40 Ligand / ヒト乳癌培養株 / 免疫組織染色 / フローサイトメトリー / MTTアッセイ |
Research Abstract |
CD40はTNF/NGFレセプターファミリーに属しB細胞リンパ球の表面に発現する膜タンパクでこれを介したシグナルはリンパ球の増殖,分化に重要な役割を果たしている.またCD40は乳癌,卵巣癌,膀胱癌,メラノーマなどの悪性腫瘍にも発現しており,これらの悪性腫瘍に対するCD40刺激の生物学的効果は明らかではない.今回われわれはヒト乳癌臨床検体,乳癌細胞培養株を用いてCD40刺激の生物学的効果を検討した 本年度先ずヒト乳がん培養株のCD40発現を検討した.単層培養した細胞株を免疫染色し蛍光顕微鏡下で観察した.同時にインターフェロンγ混合培養下でのCD40発現増強も検討した.この結果MDA-231とT-47DではCD40が細胞表面に発現し,この発現はインターフェロンγで著明に増強された.これに対して正常乳腺上皮培養株HMECではCD40発現はほとんど認められず,インターフェロンとの混合培養でも発現の増強は認められなかった.またこれら乳癌細胞培養株と正常乳腺組織培養株のCD40発現をフローサイトメトリーで比較した.MDA-231,T-40DではCD40のピークが発現し,その発現はインターフェロンγで増強されることが示され,正常乳腺組織ではCD40の発現がほとんど無くインターフェロンγによって増強されなかった.以上より乳癌におけるCD40発現が正常乳腺組織に比較して選択性が高いことが示された. これらCD40陽性乳癌細胞に可溶性CD40リガンドによるCD40刺激がどのような生物学的効果を発揮するかMTTアッセイで検討した.段階的に希釈したCD40リガンド単独,CD40リガンドとアイソタイプマッチのマウスIgG1を低濃度で増殖に影響しないインターフェロンと混合培養し比較した.MDA-231とT-47Dの細胞株でCD40リガンドはコントロールに比して有意に増殖を抑制し,さらにその抗腫瘍効果はインターフェロンによって有意に増強された.
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