2000 Fiscal Year Annual Research Report
糖転移酵素活性、糖鎖抗原の発現と癌転移との関係の解
Project/Area Number |
11671210
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
浅尾 高行 群馬大学, 医学部, 助教授 (40212469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹之下 誠一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (10167489)
桑野 博行 群馬大学, 医学部, 教授 (90186560)
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Keywords | 糖鎖合成酵素 / 糖鎖抗原 / fucosyltransferase / 遺伝子変異 / 癌転移 |
Research Abstract |
1.糖鎖合成酵素の遺伝子導入細胞での検討 11年に得られた結果を基に、α1-2fucosyltransferaseをcodeする遺伝子を、この遺伝子が欠損している癌細胞colon26に遺伝子導入し、得られた細胞について抗原の発現が定常的に見られることを確認後、癌の転移能、抗癌剤耐性、紫外線耐性、温度感受性について検討を行った。vectorのみを導入した細胞との比較である種の抗癌剤の耐性が生じること、hyperthermiaにおける温度感受性の変化が認められ、癌の生物学的特性にFT遺伝子が関与していることが示唆された。今後臨床への応用を念頭においた、in vivoの系での検討を行う予定である。 2.YB-3抗体を用いた大腸癌での抗原の発現 臨床例での糖鎖の発現と癌の治療効果との関係を明らかにする目的で、α1-2fucoseを認識するmonoclonal抗体、YB-3を用いて、ヒト大腸癌組織の免疫染色をおこなった。これまでの酵素活性とmRNAの発現の結果と一致し、正常粘膜には、免疫染色においても発現が認められず、癌部位では約80%の症例で染色された。しかし、上行結腸、盲腸では、正常の粘膜部にもわずかに染色性が認められた。臨床病理学的背景との関連を明らかにすると同時に 1.のin vitroの結果とあわせて、抗癌剤の耐性との関連を臨床サンプルを用いてさらに検討を続ける。
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