2002 Fiscal Year Annual Research Report
糖転移酸素活性、糖鎖抗原の発現と癌転移との関係の解明
Project/Area Number |
11671210
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
浅尾 高行 群馬大学, 医学部, 助教授 (40212469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹之下 誠一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (10167489)
桑野 博行 群馬大学, 医学部, 教授 (90186560)
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Keywords | 糖鎖合成酵素 / 糖鎖抗原 / fucosyl transferase / 遺伝子変異 / 癌転移 |
Research Abstract |
14年度報告 1.細胞密度による転移能の変化 がんの転移は原発巣での何らかなepigeneticな変化を受けた癌細胞が転移をおこしてくると考えられる。そこで細胞同士が常に接触した状態で癌細胞を培養することによる転移能の変化と表面抗原の変化を検討した。高密度で培養した細胞はマウスの肺転移モデルで転移能が亢進し同じ細胞を低密度で培養するとその効果はなくなることが明らかとなった。 2.細胞密度による糖合成酵素活性の変化 高密度培養条件で培養した細胞にはレクチンや糖鎖抗原に対する抗体への反応性が変化した。この変化を担う糖鎖合成系の酵素活性を検討するとGal-Transferaseの活性の増強が起こっておりこれにより、可逆性の表面糖鎖の変更が起こっていることが示唆され転移のメカニズムの解明に有用と思われた。 3.血清中AGP上の糖鎖の変化 肝臓で合成される糖蛋白AGPは一分子に4箇所の糖鎖が結合し、その末端にはSialyl Lewis X の構造を持つ。がん患者の血清のAGP上の糖鎖をレクチンを用いた2次元泳動にて解析したところ、分岐構造をもつ糖鎖の上昇と患者予後との相関関係が推察された。長期的な予後の観察中であるが、再発の予想因子としての意義を今後も検討を続ける。
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[Publications] Asao T et al.: "Tumor cells as the origin of elevated serum 1,3 fucosyltranse in association with malignancy"Clinical & Experimental Metastasis. 18(7). 605-610 (2000)
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[Publications] Okamura T, Aaao T et al.: "A new method for assaying adhesion of cancer cells to the greater omentum and its application for evaluating anti-adhesion activities of chemically synthesized oligosaccharides"Clinical & Experimental Metastasis. 18(1). 37-43 (2000)