2001 Fiscal Year Annual Research Report
家族性大腸腺腫症患者における腺腫の発生機序とCOX-2の発現並びに作用機序の検討
Project/Area Number |
11671212
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
榎本 雅之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60301165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉永 圭吾 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80240745)
杉原 健一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10171167)
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Keywords | 大腸腺腫 / COX-2 |
Research Abstract |
【目的】大腸腺腫におけるCOX-2発現の局在を明らかにし、大腸発癌における、COX-2発現の役割を検討した。【対象と方法】散発性大腸腺腫95病変を対象とし、COX-2抗体(IBL社のMouse Antl-human COX-2抗体)を用いて、ABC法にて免疫染色を行った。評価法は染色陽性腺管の割合を(0%):0、(0〜30%):1、(30〜70%):2、(70%以上):3、染色強度を0、(0と2の中間):1、(強):2と分類し、その合計を0〜5+とし、0〜2を陰性群、3〜5を陽性群とした。腺腫の異型度はWHOの基準に従い、mild dysplasia、moderate dysplasia、sever dysplasiaに分類した。また径によりsmall : 6mm≧φ、medium : 6mm<φ≦12mm、large : 12mm<φに分けたCOX-2発現と臨床病理学的因子との関係は、多重ロジスティック回帰分析を用いて統計学的検討を行い、P<0.05を有意差ありとした。さらにCOX-2と細胞増殖との関係を検討するために、連続切片においてKl-67抗体による免疫染色を行い、Kl-67 1abeling index(Ll)を測定し、COX-2発現細胞との関係を検討した。【結果】(1)大腸腺腫におけるCOX-2発現は、正常粘膜及び間質細胞に比べて優位に腺腫細胞の細胞質に局在し、全体の69例(72.6%)に認めた。(2)臨床病理学的因子との関係では、COX-2発現は異型度と強い相関を示した。(3)Kl-67 L.lはCOX-2陽性群(40.1±10.1)が、陰性群(29.6±9.8)と比べて有意に高かった(P<0.001)。【結語】COX-2は、大腸腺腫におけるprogressionに関与している可能性が示唆された。
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