2002 Fiscal Year Annual Research Report
家族性大腸腺腫症患者における腺腫の発生機序とCOX-2の発現並びに作用機序の検討
Project/Area Number |
11671212
|
Research Institution | Tokyo Medical & Dental University |
Principal Investigator |
榎本 雅之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (60301165)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 健一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10171167)
|
Keywords | polypoid cancer / non-polypoid cancer / cox-2 |
Research Abstract |
【目的】大腸癌の形態分類にはpolypoid cancerとnon-polypoid cancerがある。そこで、大腸癌をこの2群に分けてcox-2発現の違いについて検討した。【対象・方法】島田らの分類にしたがって大腸癌69例を組織学的に2群に分類し、cox-2の発現についてcox-2 m-RNAのcox-1 mRNAに対する比(発現比)として半定量した。mRNAの発現量の測定は、RT-PCR法を用いて行った。ANOVAにより統計学的検討を行い、P<0.01を有意差ありとした。【結果】対象症例の年齢、腫瘍の部位、病理組織学的因子、進行度といった背景因子に有意差はなかった。大腸癌68例の分類は、polypoid cancerは11例、non-polypoid cancerは58例であった。正常粘膜における発現比は0.7±0.1、polypoid cancerでは1.0±0.1、non-polypoid cancerでは1.9±0.1であった。non-polypoid cancerでは、polypoid cancerおよび正常粘膜より有意に高く発現していた(p=0.0002、p=0.0001)。polypoid cancerと正常粘膜の間には有意差はなかった。また、正常粘膜における発現比が0.1〜1.8であったため、発現比が1.8より大きいものを過大発現とすると、29例が過大発現となりいずれもnon-polypoid cancer症例であった。【結論】cox-2は、大腸癌の形態分類のうちnon-polypoid cancerにおいて過大発現していることが確認された。
|