1999 Fiscal Year Annual Research Report
抗サイトケラチン抗体を用いた胆嚢癌のリンパ節微小転移の検出及びその臨床的意義
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11671213
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
白井 良夫 新潟大学, 医学部, 講師 (50216173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 大 新潟大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | 胆嚢癌 / 微小リンパ節転移 / 抗サイトケラチン抗体 / 免疫組織化学 / 根治手術 / 予後 |
Research Abstract |
平成11年度には以下の如くの研究を行い、平成12年3月にその成果を英文誌に投稿した。 【目的】「胆嚢癌において、リンパ節微小転移は独立した、かつ、最大の予後規定因子である」という仮説を検証する。【対象と方法】1993年以前に根治切除が施行された胆嚢癌63例を対象とした。5年以上の長期予後を検討するため、1994年以降の症例は除外された。リンパ節微小転移(以下、微小転移)の定義は、「H&E染色を用いた通常の組織検索では検出されず,抗サイトケラチン抗体(以下、CAM5.2)を用いた免疫染色により初めて検出可能となるリンパ節転移」とした。郭清された所属リンパ節、総計1136個から連続切片を作製し、H&E染色、CAM5.2を用いた免疫染色の両者を行った。【成績】早期癌(深達度m、pm)9症例に微小転移は見られなかったが、進行癌(深達度ss以上)54例中20例(37%)で微小転移が見られた。微小転移の存在は、腫瘍の生物学的悪性度指標(リンパ管浸潤、神経浸潤、他臓器浸潤、大動脈リンパ節転移、遠隔転移)と有意に相関した。単変量解析(log-rank検定)では、微小転移(P<0.0001)を含め10因子が有意な予後因子であった。多変量解析(Cox比例ハザードモデル)では、切除術式(P<0.0001)、微小転移(P=0.0002)が最大の独立した予後因子であった。通常の組織検索によりリンパ節転移陰性と判定された36例、陽性と判定された27例の両群において微小転移は有意な予後因子であった(各々P=0.0001、P<0.0001)。微小転移陽性例での再発は、主として遠隔部位に見られた。【結論】胆嚢癌切除例において、微小転移は生物学的悪性度を反映し、腫瘍側の因子としては最大の独立予後因子である。通常の組織検索によるリンパ節転移の有無に拘わらず、微小転移は有用な予後指標である。微小転移はsystemic diseaseの一指標と考えられる。認められなかった。このことより、AQP8が大腸における水の吸収・分泌に大きく関与している可能性が示唆された。またこのことは、腸管における水分吸収・分泌の経路が、細胞間経路だけではなく、経細胞経路も存在することを提起している。
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Research Products
(1 results)