2000 Fiscal Year Annual Research Report
抗サイトケラチン抗体を用いた胆嚢癌のリンパ節微小転移の検出及びその臨床的意義
Project/Area Number |
11671213
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
白井 良夫 新潟大学, 医学部, 講師 (50216173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 達也 新潟大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | 胆嚢癌 / 早期胆嚢癌 / 微小リンパ節転移 / 抗サイトケラチン抗体 / 免疫組織化学 / リンパ節転移 / 根治手術 / 予後 |
Research Abstract |
1.胆嚢癌リンパ節微小転移の臨床的意義: 【目的】胆嚢癌におけるリンパ節微小転移の臨床的意義を解明する。【方法】根治切除された胆嚢癌63例を対象とした。リンパ節微小転移(以下、微小転移)の定義は、「H&E染色を用いた通常の組織検索では検出されず,CAM5.2を用いた免疫染色により初めて検出可能となるリンパ節転移」とした。郭清リンパ節計1136個から連続切片を作製し、H&E染色、抗サイトケラチン抗体(CAM5.2)を用いた免疫染色により転移を検索した。【成績】早期癌9例で微小転移は陰性であったが、進行癌(深達度ss以上)54例中19例(35%)で微小転移が見られた。単変量解析では、微小転移(P<0.0001)を含め9因子が有意な予後因子であった。H&E染色によるリンパ節転移陰性36例、陽性27例の両群において微小転移は有意な予後因子であった(P=0.0002、P<0.000l)。多変量解析では、微小転移(P=0.0003)、根治切除術式(P=0.0044)が独立予後因子であった。微小転移はly、pn、遠隔転移と関連し、陽性例で遠隔再発が多かった。【結論】胆嚢癌根治切除例において、微小転移は独立した強い予後因子である。微小転移は悪性度を反映し、systemic diseaseの指標でもある。 2.胆嚢mp癌に対しリンパ節郭清は必要か?: 【目的】胆嚢mp癌に対するリンパ節郭清の有用性を検討する。【方法】mp癌25例(単純胆摘13例、郭清を伴う根治切除12例)を対象とした。計147個の所属リンパ節から連続切片を作成し、H&E染色、CAM5.2を用いた免疫染色により転移を検索した。【成績】lyが1例に陽性であったが、v、pnは全例で陰性であった。所属リンパ節に、転移および微小転移は見られなかった。全例の累積10年生存率は87%と良好であり、胆摘群と根治切除群の成績は同等であった(P=0.16)。【結論】胆嚢mp癌に対するリンパ節郭清の有用性は認められない。
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[Publications] Naoyuki Yokoyama: "Immunohistochemical detection of lymph node micrometastases from gallbladder carcinoma using monoclonal anticytokeratin antibody"Cancer. 85・7. 1465-1469 (1999)
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[Publications] Shigenori Nagakura: "Clinical significance of lymph node micrometastasis in gallbladder carcinoma"Surgery. (発表予定). (2001)
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[Publications] Toshifumi Wakai: "Early gallbladder carcinoma does not warrant radical resection"The British Journal of Surgery. (発表予定). (2001)