2001 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌における微小転移巣の検出と治療方針確立のための基礎的研究
Project/Area Number |
11671215
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西巻 正 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70242427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 達夫 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (80303147)
鈴木 力 新潟大学, 医学部, 教授 (40183420)
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Keywords | 食道癌 / 微小転移 / リンパ節転移 / サイトケラチン / 免疫組織化学 / メッセンジャーRNA / リアルタイムPCR法 |
Research Abstract |
本年度においては研究Iではリンパ節微小転移が食道癌切除後の生存曲線におよぼす影響を検討し、研究IIでは食道切除術前、術中、術後の末梢血、腫瘍ドレナージ血、肋骨骨髄液、胸+管リンパ液中のサイトケラチンm-RNA陽性率、および臨床病理学的パラメターとの相関を明らかにした。【研究1】リンパ節微小転移陽性症例(n=14)と陰性症例(n=23)の食道癌切除後癌再発率は前者が50%(n=7)、後者が8.7%(n=2)と前者が有意(P=0.008)に高かった。リンパ節微小転移陽性症例のうち、再発をきたした7症例で微小転移を認めたリンパ節は症例あたり平均2.6個であったが、再発をきたさなかった7所例でのそれは1.6個で有意差はなかった。リンパ節微小転移陽性症例の無再発生存曲線、overall生存曲線は陰性症例のそれよりも有意に不良(各P<0.01、P<0.05)であった。リンパ節微小転移陰性症例の術後5年生存率は91%と良好であったが、陽性症例のそれは64%と予後不良であった。Cox比例ハザードモデルによる多変量解析ではリンパ節微小転移が無再発生存の唯一の独立した予後規定因子であった。【研究II】食道癌患者の治療前(n=28)、術中(n=21)、術後の末梢血(n=20)、腫瘍ドレナージ血(n=19)、肋骨骨髄液(n=14)、および胸管リンパ液(n=5)中のサイトケラチンm-RNA陽性率は各14.3%、4.8%、10%、15.8%、21.4%、および0%であった。サイトケラチンm-RNA陽性率と臨床病理学的パラメターとの間には明らかな相関関係は認められなかった。
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