2000 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌の発育進展過程におけるangiogenic switchの発現とその抑制
Project/Area Number |
11671217
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高橋 豊 金沢大学, がん研究所, 助教授 (10179541)
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Keywords | 血管新生 / 大腸癌 / VEGF / PD-ECGF / MMP-7 / angiogenic switch |
Research Abstract |
大腸癌は、遺伝子異常の積み重ねにより、腺腫から浸潤性癌まで進行してゆくことが知られている。そこで、その過程の中で、血管新生の亢進、いわゆるangiogenic swithがどこでonとなるのかについて検討した。大腸癌病変として、腺腫、粘膜内癌(非浸潤癌)、粘膜下層まで浸潤する癌、筋層まで浸潤する癌を対象に、既に大腸癌の発育進展、転移などに重要であることが判明している、Factor VIIIによるVessel count、血管新生因子としてVascular endothelial growth factor(VEGF),Platelet derived endothelial cell growth factor(PD-ECGF)、Matrix metalloproteinase(MMP)-7を免疫染色法を用いて発現を比較検討した(PD-ECGFに関しては、癌周囲の間質)。 その結果、いずれの因子においても粘膜内癌と粘膜下層癌との間において、有意の発現の差が認められた。他では、PD-ECGFで粘膜下層癌と筋層浸潤癌との間で差が認められた以外、有意の差は認めらなかった。つまり、大腸癌の初期進展過程において、粘膜内癌から粘膜下層癌の間において血管新生とこれをコントロールする種々の血管新生因子において発現の差がみられたことから、癌が浸潤を開始する時点に一致して、血管新生の亢進、すなわちangiogenic switchが起こるることが強く示唆された。 また、ヒト大腸癌株のヌードマウス同所移植モデルにおいても、癌細胞が浸潤を開始した時期に一致して、angiogenic switchがonとなることを確認した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takahashi Y, et al: "DFMO induces apotosis as well as anti-angiogenesis in the inhibition of tumor growth and Me0tastasis."Int.J.Cancer. 85. 243-247 (2000)
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[Publications] 高橋豊: "癌治療の新たな戦略Tumor Dormancy Therapy"医学書院,東京. 1-172 (2000)