1999 Fiscal Year Annual Research Report
術後敗血症におけるマクロファージ活性の機序解明とその抑制に関する検討
Project/Area Number |
11671221
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
藤井 秀樹 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (30181316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 秀彦 山梨医科大学, 医学部, 講師 (60184347)
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Keywords | 敗血症 / ガドリニウムクロライド / マクロファージ / TNFα / サイトカイン / 活性酸素 / 肝類洞細胞 / LPS |
Research Abstract |
術後感染症の重篤な合併症である敗血症の制御と新しい治療法の開発がこの研究のゴールである。申請者らは既に、ラット敗血症モデルにおいて活性化マクロファージ(Mφ)がその病態を重篤化させていること、さらに塩化ガドリニウム(GdCl_3)の前投与により肝Mφの活性化は抑制され、致死率が劇的に改善することを明らかにした。しかし、GdCl_3の肝Mφへの作用機序を明らかにはし得ていない。しかし、これまでの研究成果から、これらの機序のひとつに各種の炎症性サイトカインが関与している可能性が大であると申請者らは考えてきた。そこで今年度は、ラット敗血症モデルにおいてGdCl_3投与による、血清ならびに肝実質のTNFαの産生を、アッセイ系の確立とともに検討した。その結果ラット敗血症モデルにおいては血清とともに肝実質のTNFαの産生が著しく亢進していること、さらにこのTNFαの産生はGdCl_3の前投与により完全に抑制されることが明らかになった(データ未発表)。そしてこのTNFαの産生は肝類洞細胞に由来するものであることが明らかになった。そこでこの肝類洞細胞の活性化が肝実質細胞にいかなる機序により障害性に作用するのかを活性酸素の測定により明らかにすることを目的に研究を展開中である。現在までに得られた結果では、ラット敗血症モデルにおける単離肝MφのリポポリサッカライドLPS刺激後の活性化酸素の量は著しく亢進しており、これがラット敗血症モデルにおける肝実質障害の基本的要因であると考えられた。今後、活性化酸素の発生を制御する分子生物学的機構についての解明をすすめてゆく必要があると考えられる。
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