2000 Fiscal Year Annual Research Report
免疫抑制状態からみた肝細胞癌多中心性発生機序の解明
Project/Area Number |
11671223
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
松田 政徳 山梨医科大学, 医学部, 助手 (80242642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 秀樹 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (30181316)
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Keywords | 肝細胞癌 / 多中心性発生 / 肝切除術 / 分子生物学 / B型肝炎ウィルス |
Research Abstract |
肝臓局所での免疫学的な観点からの検討として、所属講座の肝細胞癌切除症例の癌部と非癌部の切除標本を用いて、多中心性発癌症例と単発例、肝内転移例および非肝細胞患者で癌部および周辺非癌部に浸潤している免疫担当細胞(Tリンパ球、NK細胞、マクロファージその他類洞細胞)のプロフィールに差異があるか否かを、特異的抗体を用いて免疫組織学的検討し、進行例、多中心性発癌症例でその他の症例に比較して、非実質細胞のポピュレーションに差があるとする結果が得られた。 また、肝細胞癌患者の末梢血中のIL-10、IL-18、TGF-β、などのサイトカインレベルを術前、術後にわたってELISA法およびフローサイトメトリー法によって測定したところ、多中心性発癌症例で、特徴的な所見が得られつつある。 さらに、末梢血と腫瘍浸潤部のT細胞とNK細胞で、直接腫瘍抗原認識に関与する分子であるζ鎖の発現をフローサイトメトリー法を用いて測定し、たところ、進行例、多中心性発癌症例で他群に比較して発現量の低下が観察されてきた。 DDBEX肝細胞癌マウス実験系において多中心性発癌にβカテニンの異常が関与していることが明らかとなりこの点からの解析も進行中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 松田政徳: "2回の肝切除により再手術後5年以上無再発生存中の肝外発育肝細胞癌の1例"日本消化器外科学会誌. 33(2). 205-209 (2000)
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[Publications] 松田政徳: "結節内に出血を伴った肝細胞癌の1切除例"Liver Cancer. 6(1). 26-30 (2000)
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[Publications] 松田政徳: "肝臓手術"外科治療. 82(5). 552-556 (2000)
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[Publications] 松田政徳: "慢性日本住血吸虫症併存肝細胞癌切除症例の臨床病理学的検討"山梨医学. 28(1). 190-192 (2000)
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[Publications] 松田政徳: "インターフェロン治療の著効後に小肝細胞癌が発見されたC型慢性肝炎の1例"Liver Cancer. 6(2). 92-96 (2000)
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[Publications] 松田政徳: "肝血管腫"外科. 62(12). 1530-1534 (2000)