2000 Fiscal Year Annual Research Report
白血球を中心とした肝虚血再環流障害に対するプレコンディショニング效果の基礎的研究
Project/Area Number |
11671228
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梛野 正人 名古屋大学, 医学部, 講師 (20237564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上坂 克彦 名古屋大学, 医学部, 助手 (20283434)
神谷 順一 名古屋大学, 医学部, 講師 (70194975)
二村 雄次 名古屋大学, 医学部, 教授 (80126888)
小田 高司 名古屋大学, 医学部, 助手 (30311715)
湯浅 典博 名古屋大学, 医学部, 助手 (00303610)
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Keywords | 虚血再灌流障害 / プレコンディショニング / 肝不全 / 高脂血症 / 白血球 / クッパー細胞 / 接着分子 |
Research Abstract |
肝虚血再灌流傷害に対するSecond Window of Protection(SWOP)の効果を、白血球を中心とした肝虚血再灌流傷害に焦点をあて検討した。本年は主に、マウスを用いた肝虚血再灌流モデルの確立および、これに対するSWOPの基本的な効果を検証した。実験1:マウスの肝左外側葉の肝虚血を作成した。白血球を蛍光標識した後、再灌流後の肝微小循環を、蛍光生体顕微鏡を用い観察した(再灌流後15分、30分、45分、60分)。観察終了後、ALT活性を測定し、肝細胞傷害の客観的指標とた。肝虚血時間は15分、30分、45分、60分、90分と増加させた。マウスは、ノーマルマウスとLDL Receptor Knock Out(LDLr-/-)マウスを用いた。ノーマルマウスでは60分肝虚血により、肝類洞に白血球の停滞が生じ、ALT値の上昇がみられた。45分以下の肝虚血では、これらの反応がみられなかった。LDLr-/-マウスでは、30分の肝虚血で、停滞白血球数の増加、ALT値の上昇がみられた。以上から、ノーマルマウスでは、常温下で60分の肝虚血時間で、停滞白血球数の増加を伴った再灌流後の肝細胞傷害が生じ、本研究では、このモデルをベースに実験を進めることにした。また、今回の実験で、LDLr-/-マウスは、ノーマルマウスに比し、肝虚血再灌流傷害に脆弱であることが明らかとなった。実験2:実験1のモデルを用い、微量エンドトキシンを、肝虚血を行う24時間前に腹腔内投与した。本投与により、60分肝虚血によってもたらされた再灌流後の、肝類洞への白血球停滞の増加および、ALT値の上昇は抑制された。このことから、マウスにおけるエンドトキシンの投与後のSWOP効果が確認された。
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