1999 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌に対するマイクロ波凝固壊死療法におけるアポトーシス誘導機序に関する基礎的検討
Project/Area Number |
11671256
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
川野 克則 大分医科大学, 医学部, 講師 (00274754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒巻 政憲 大分医科大学, 医学部, 助手 (10291543)
北野 正剛 大分医科大学, 医学部, 教授 (90169871)
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Keywords | マイクロ波凝固療法 / 肝癌 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究は,肝癌に対するマイクロ波凝固療法(MCT)における作用機序に関する基礎的検討をおこなうことを目的とする.MCTは現在臨床において,原発性肝細胞癌の原発巣や肝内転移巣あるいは転移性肝癌に対する治療の目的で施行されているが,未だ不明な点も多く,本研究ではその機序として,アポトーシスの関与に着目し動物実験による研究をおこなった. 初年度である本年は,内視鏡用モノポーラ型針状電極を使用してラット正常肝に対してマイクロ波凝固を施行し,MCT実験モデルを完成させることができた.凝固条件は30W30秒間の凝固および10秒間の解離とし,この治療条件下では,電極から3mmの組織において平均54.5℃,5mmでは44.0℃に組織温度が上昇することを確認した.また,この実験モデルを使用し,MCT直後から12時間後まで,経時的に組織障害領域が拡大することが確認された.さらに,肝組織のTUNEL陽性細胞の増加,およびアポトーシス反応の主要な酵素であるカスパーゼ3の酵素活性上昇の結果から,この組織障害領域の拡大に,熱により誘導されたアポトーシスの機序が関与することが強く示唆された. 今後,初年度の非癌部肝組織における結果をふまえて,腫瘍組織でのマイクロ波凝固療法の効果および治療後の組織生化学的変化について検討する方針である.さらにはこのアポトーシスにたいする生体の防御機構としての熱ショック蛋白(HSP)の産生についても検討を加える予定である.
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