2000 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法を用いた肝細胞癌の多中心発生の診断とその治療方針
Project/Area Number |
11671263
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
長堀 薫 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (00137035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 紘 横浜市立大学, 医学部, 教授 (90117747)
渡会 伸治 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (10244477)
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Keywords | 肝細胞癌 / 多中心性発癌 / 肝内再発 / HBV-DNA組み込みパターン / phosphoglycerokinase遺伝子 / p53遺伝子 / nm23-H1遺伝子 |
Research Abstract |
<背景>肝細胞癌(肝癌)術後再発には年率3-5%程度の異時性多中心性発癌(MC)が含まれると考えられているが、個々の症例についてMCと肝内転移(IM)との鑑別は必ずしも容易ではない。<目的>肝再切除症例においてMCかIMかの判定を組織学的、および分子生物学的に行い、その問題点を検討した。<対象と方法>肝癌治癒切除の肝内再発例のうち再切除した21例を対象とした。MCの判定は、まず組織学的に行い(n=21),1)原発巣、再発巣のどちらかが高分化型肝癌、2)再発巣の分化度が原発巣より高い、3)いずれもnodule-in-nodule像を呈するものとし、以下の分子生物学的判定法と対比した。方法は1)HBV-DNA組み込み(n=5)、2)phosphoglycerokinase遺伝子(PGK)のheterogeneity(n=6)、3)p53遺伝子の変異(n=8)、4)癌転移抑制遺伝子nm23-H1遺伝子の発現(n=21)である。<結果>1.組織学的にはMC12例、判定不能9例であった。2.組織学的MCの内HBV-DNAにより1例がMCと証明された。3.組織学的判定不能の9例の内、分子生物学的にMCが4例(重複を含み、HBV-DNA1例、p53が2例、PGK1例、nm23-H1が4例)、IMがHBV-DNAによる2例であった。以上、組織学的、分子生物学的判定を総合すると、MCが16例、IMが2例、判定不能が3例であった。<結論>1.再肝切除症例において、分子生物学的判定法は組織学的な判定法と相反する結果は出なかった。しかし、組織学的判定法の妥当性を検証することはできなかった。2.組織学的な方法では分化度が低い肝癌の、分子生物学的な方法では高分化型肝癌のクローナリティの判定が困難であった。3.再発巣がMCであったものは76%、IMは9%であった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 長堀薫: "膵頭部領域癌手術時における術中右肝動脈損傷時の対処"日本臨床外科学会雑誌. 61. 2439-2442 (2000)
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[Publications] 長堀薫: "肝細胞癌と鑑別困難であった肝細胞腺腫の1例"肝臓. in press. (2001)
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[Publications] Y Nagano: "Laparoscopic surgery for pedunculated focal nodular hyperplasia, report of a case"Endoscopy. 31(Suppl1). 24-25 (1999)
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[Publications] 永野靖彦: "総胆管結石症の治療選択における術中胆道内圧測定の意義"日本胆膵生理研究会 胆膵の生理機能. 16. 69-72 (2000)
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[Publications] 永野靖彦: "大腸癌肝転移切除后膵頭後面リンパ節再発に対し膵頭十二指腸切除術を施行した1例"日本臨床外科学会雑誌. 61. 1857-1861 (2000)
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[Publications] 嶋田紘: "背方よりの尾状葉単独切除"手術. 54. 517-523 (2000)