1999 Fiscal Year Annual Research Report
磁性鉄標識キメラ化モノクローナル抗体をMRIの造影剤とする新しい膵癌診断法の開発
Project/Area Number |
11671265
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
大辻 英吾 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20244600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 和真 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20285258)
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Keywords | モノクローナル抗体 / キメラ化抗体 / MRI / 膵癌 |
Research Abstract |
膵癌の診断は極めて困難であり、予後が悪い原因となっている。膵癌の術前診断に核磁気共鳴画像(MRI)が応用されているが、癌病巣の明確な描出による質的診断能は充分でない。もし、膵癌に特異的に集積する微粒子磁性鉄が開発されれば、膵癌に対するMRIの造影剤として用いることができ、膵癌の診断も容易となる。我々は従来より、膵癌と特異的に反応するキメラ化A7-Fab分画を膵癌の診断や治療に臨床応用してきた。本研究では、キメラ化A7-Fab分画と微粒子磁性鉄との複合体を作成し、この複合体が新しい膵癌の造影剤として有用であることを証明するのが目的である。 キメラ化A7-Fab分画と微粒子磁性鉄(Lignosite FML)とを1:1の割合で混和し、氷上で超音波振盪を行い結合させた。次に、HEPESにウシ胎仔血清アルブミン20mg/mlとグリセオール30%を加えた緩衝液に、これを緩徐に滴下してブロッキングを行った。超遠心分離し、上清を除去し、キメラ化A7-Fab分画・微粒子磁性酸化鉄複合体(キメラ化A7Fab-Lignosite FML)を得た。キメラ化A7Fab-Lignositeを膵癌移植ヌードマウスに静注したところ、投与後早期から腫瘍に集積し、高い腫瘍血液比が得られた。また、寒天にキメラ化A7Fab-Lignositeを塗布し、実際にMRIで撮像したところlow intensityに撮影された。以上より、実際の膵癌移植ヌードマウスでも腫瘍に集積したキメラ化A7Fab-Lignositeは画像として得られる可能性があると予測された。
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Research Products
(1 results)