1999 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌におけるオーロラ遺伝子異常およびオーロラを標的とした治療法の可能性の検討
Project/Area Number |
11671266
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
澤田 秀智 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (10206021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 行重 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50254496)
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Keywords | オーロラ遺伝子 / 消化器癌 |
Research Abstract |
平成11年度は、主に消化器癌手術摘出標本におけるaurora2の遺伝子増幅及び発現を胃癌組織にて検討した。増幅はSouthern法にて検討した。まず手術標本の正常部および癌部より型のごとくDNAを抽出し、これをEcoRlにて消化後泳動しaurora2 cDNA probeにてハイブリダイゼーションを行った。これまで人の大腸癌による検討ではaurora遺伝子の増幅は52%と報告されている。しかしながら今回行った胃癌組織での検討では、DNAレベルでの増幅は数%と低頻度であった。胃癌組織におけるaurora遺伝子の増幅は大腸癌と比べると意外に少ないものと思われた。またaurora遺伝子の発現状況は、胃癌臨床検体の正常部および癌部よりtotal RNAを抽出し、Northern法にて検討した。RNAレベルでの過剰発現は36例中9例(25%)に認められた。胃癌の場合、aurora遺伝子の過剰発現は、DNAレベルの増幅ではなくDNAからRNAへの転写レベルで起こっている可能性が示唆された。 現在臨床検体での症例数を増やし、RNAレベルでの発現状況をさらに詳しく検討している。また胃癌も含め、食道癌、大腸癌、膵癌、などヒト消化器癌細胞株におけるaurora2遺伝子増幅をSouthern法で検討すると共に、同様のヒト消化器癌細胞株をもちい、Northern法にてaurora2遺伝子の発現状況について検討している。 本年度はaurora2アンチセンス発現アデノウイルスベクターを作製し、ヒト消化器癌細胞株の増殖及び、ヌードマウス皮下腫瘍に対する影響を検討して行く予定である。
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