2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胆管癌細胞におけるFasを介したアポトーシスの誘導とその増強に関する検討
Project/Area Number |
11671276
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
丸野 要 帝京大学, 医学部, 助教授 (20209696)
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Keywords | apoptosis / Fas / anti-Fas monoclonal antibody / ヒト胆管癌細胞 / IFN-γ / caspase / IL-2 |
Research Abstract |
[方法]1)ヒト胆管癌細胞HuCCT1およびHuH28を200U/mlのIFN-γで24時間前処置した後、apoptosisを誘導する作用を持たない抗Fas monoclonal antibody(mAb)4B4を10μg/ml加え、さらにこのmAbに対するfluoresceinで標識された第2抗体を加えてflow cytometry(FCM)により分析した。2)HuCCT1およびHuH28細胞を200U/mlのIFN-γで24時間前処置した後、これらの細胞にそれぞれ1.0,0.1μg/mlのapoptosisを誘導する作用を持つ抗Fas mAb、CH-11を加えて3日後にtrypan blueを加えて生細胞数を測定した。3)胆管癌細胞を200U/mlのIL-2で24時間処理した後、HuCCT1とHuH28細胞にそれぞれ1.0、0.01μg/mlのCH-11を加えて3日後に2と同様に生細胞数を測定した。4)1.0μg/mlのCH-11または100U/mlのIFN-γを加えた胆管癌細胞と、陽性controlとしてDNase Iを加えた細胞を、TUNEL法を用いてfluoresceinにより標識しFCMにより分析した。5)胆管癌細胞に0.1-100U/mlのIFN-γを加えて3日後に生細胞数を測定した。6)1.0μg/mlのCH-11または200U/mlのIFN-γを加えた胆管癌細胞において、caspase-1,3,6,8をcaspase fluorometric protease assayにより測定した。[結果]1)IFN-γの前処置により、HuCCT1細胞ではFasの発現は17.6%増加したが、HuH28細胞ではFasの発現に変化はなかった。2)IFN-γの前処置により、CH-11によるHuCCT1とHuH28の細胞数の減少はそれぞれ41.2%および8.2%増加した。3)IL-2のみでは3日間でHuCCT1の細胞数に変化はなく、IL-2の前処置によってもCH-11による細胞数の減少に変化はなかった。IL-2のみではHuH28の細胞数は3日間で11.2%減少したが、IL-2の前処置によってもCH-11による細胞数の減少に変化はなかった。4)CH-11またはIFN-γを加えた細胞においては、陽性controlと同じ位置のpeakを認め、DNAの断片化が証明された。5)IFN-γは0.1-100U/mlの濃度において用量依存性に、HuHCCT1およびHuH28の細胞数を3日間でそれぞれ最高45.1%および87.8%まで減少させた。6)HuH28細胞において、CH-11の8時間処理によりcaspase-3を検出した。
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