2000 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインによるガストリン分泌及びその受容体発現と癌細胞増殖に関する研究(2)
Project/Area Number |
11671278
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
生越 喬二 東海大学, 医学部, 助教授 (30112775)
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Keywords | サイトカイン / 炎症性サイトカイン / ガストリン / G細胞 / ガストリン受容体 / 胃癌 |
Research Abstract |
これまでの研究に続いて、基礎的に各種サイトカインの刺激に対するG細胞からのガストリン分泌、産生機序を解明し、さらに、ヒト胃癌切除標本よりのガストリン受容体発現と胃癌患者におけるガストリン分泌能について検討した。われわれがこれまで開発してきたPercoll密度勾配遠心法により得られたモルモットG細胞の単離、初代培養系を用い、サイトカインの刺激実験を行った(モルモット幽門洞粘膜をDispase,Collagenase酵素処理後、細胞浮遊液をPercoll密度勾配遠心法(不連続勾配)によりG細胞のrich分画を同定した。同分画より得られたG細胞浮遊液をcollagen type 1でcoatされたculture wellに播種し、DMEM/F12(1:1)培養液に36時間培養、単層培養系を作成した後、各種cytokineの刺激実験(2時間)を行った。培養液中と細胞内のガストリン濃度を測定した。その結果、炎症性サイトカインであるIL-1β,-6,-8TNF-αが濃度依存性にガストリン分泌を促進する事が確認された。胃癌組織におけるガストリン受容体遺伝子の発現においては、RT-PCR法を利用し47例中5例の腫瘍においてその発現が認められた。臨床病理学的な検討から、高ガストリン分泌環境や腫瘍におけるガストリン受容体の発現が腫瘍の増殖能や悪性度に影響を及ぼしている可能性が考えられた。 現在、インフォームドコンセントの下、ヒト胃癌切除標本の幽門洞粘膜から酵素処理を行い、ヒトG細胞のrich分画を得るため基礎的実験を進行中である。
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