1999 Fiscal Year Annual Research Report
Dendritic cell除去による同種血管の生着率向上に関する実験的検討
Project/Area Number |
11671306
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 惠理保 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (70312311)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 淳 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (90188954)
|
Keywords | 凍結保存 / 同種血管 / 樹状細胞 / ラット / 腹部大動脈 |
Research Abstract |
本研究の初年度に当たる本年は,主として手技の確立を課題として進めた.生後10週から12週のBrown Norway(BN)ラットの腹部大動脈を腎動脈下から分岐部に至るまで採取し,これを同週令のLewis(Lew)ラットに腎動脈下に同所性に移植する手技を確立した. 次に、凍結保存がBNラットの腹部大動脈にどのような変化をきたすのかを,病理組織学的に検討した.5頭のラットから腹部大動脈を摘出後,これを2つに横切し,1つを新鮮大動脈とした。もう1つは以下のプロトコールに従って凍結保存した.大動脈片を速やかに凍結保存液に浸漬し,プログラムフリーザーで,毎分-1℃の割合で-80℃まで凍結した.これを,液体窒素タンク内で1週間保存したのち,37℃恒温槽内で急速解凍,希釈洗浄し,凍結大動脈とした.この2種類の腹部大動脈に対し,以下の組織病理学的検討を加える予定で,組織の処理および免疫操作を進めているところである. (1)光学顕微鏡的検査:Hematoxylin-Eosin染色およびElastica-van-Gieson染色による内膜(血管内皮細胞),中膜(平滑筋,腺維芽細胞,弾性繊維,膠原線維)の評価. (2)電子顕微鏡的検査:走査型電顕による血管内皮細胞の保存状態の評価. (3)免疫組織学的検査:MHCクラスI,MHCクラスII,血管内皮細胞,Dendritic cellの評価 また、BNラットから摘出した新鮮または凍結保存腹部大動脈のLewラットへの同所性移植を開始した(同種異型移植).コントロールとして,Lewラットから摘出した新鮮または凍結保存腹部大動脈のLewラットへの同所性移植(同種同系移植)も行う.今年度は,この4群の移植を各10列行う予定である.各群5頭ずつに分け,移植後2週間後および1ヶ月後に移植大動脈を摘出し,(1)ー(3)の組織病理学的検索を行う.(1)の光学顕微鏡検査では特に,拒絶の指標となるグラフトの開存性,炎症細胞浸潤,内膜肥厚に着目しながら評価する。
|