1999 Fiscal Year Annual Research Report
弓部大動脈全置換術における順行性選択的脳潅流法の確立
Project/Area Number |
11671313
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
数井 暉久 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20094203)
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Keywords | 弓部大動脈瘤 / 弓部大動脈全置換術 / 選択的脳灌流 / 脳梗塞 / 術後脳機能障害 / 脳保護 / 頚静脈酸素飽和度 / Near infrared spectroscopy |
Research Abstract |
弓部大動脈全置換術における脳保護法の中で順行性選択的脳灌流法は生理的で脳エネルギー代謝等の面から他の脳保護法より優れている。しかし、脳梗塞の既往歴のある患者では脳梗塞の既往のない患者に比べて術後脳機能障害を起こす頻度が高いことが指摘されており、我々も弓部置換術220例の多変量解析による検討において、脳梗塞の既往が術後脳機能障害のindependent predictorであることを報告した(The 36^<th> Annual Meeting of The Society of Thoracic Surgeons,Feb 1,2000)。脳梗塞を有する脳に対する順行性選択的脳灌流法の及ぼす影響について検討するのに先立ち、脳梗塞犬をMolinari GF等(1970)や島等(1980)の報告に準じて開頭することなく内頚動脈からシリコン円柱を注入して作成した。総頚動脈に切開をおき内腔からカテーテルを内頚動脈にすすめ、造影で内頚動脈を確認後、シリコン円柱をウイリス動脈輪を超えて中大脳動脈基部の穿通枝付近に留置し、総頚動脈切開部は6-0monofilament糸で再建した。5段階のNeurological evaluation scoreにおいてscore2または3の状態を高率に作成可能であった。現在、人工心肺を用いた超低体温下順行性選択的脳灌流実験を行い、術中Near infrared spectroscopy、Jugular venous saturation、血中および髄液中のグルタミン酸濃度、arterial-venous oxygen difference、arterial-venous glucose difference、venous-arterial lactate difference、lactate-glucose index等の測定を行っている。
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