2000 Fiscal Year Annual Research Report
血液接触型人工臓器における血小板機能障害に対する薬理学的制御法に関する研究
Project/Area Number |
11671314
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
田中 国義 福井医科大学, 医学部, 教授 (70144251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢田 公 三重大学, 医学部, 教授 (80093152)
西川 政勝 三重大学, 医科部・附属病院, 講師 (30144257)
千葉 幸夫 福井医科大学, 医学部, 助教授 (30111959)
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Keywords | 血小板 / GpIIb / IIIa / GPIb / GPIIb / IIIa阻害剤 |
Research Abstract |
【方法】GPIIb/IIIa阻害剤としてFK633およびabciximabを、vWFとGPIbとの結合阻害薬としてaurintricarboxylic acid(ATA)、AjvW-2を、さらにProstaglandin E1をヒト血液を循環させた体外循環模擬回路内に投与し、血小板膜表面抗原(GPIb,GPIIb,PAC-1,P-selectin)、活性化血小板のAnnexin V陽性率、血小板microparticle、および血小板数の変化をモノクローナル抗体を用いて検討した。 【結果】1)血小板表面のGPIbはコントロール群で減少するが、その程度はGPIIb/IIIa阻害剤投与により有意に抑制された。しかしPGE1、ATAおよびAJvW-2投与群ではコントロール群と同様低下した。 2)PAC-I(活性化GPIIb/IIIa)、P-selectin、Annexin V陽性率および血小板microparticleはGPIIb/IIIa阻害剤およびPGE1投与によりコントロール群に比べ有意に低値を示したが、ATAおよびAJvW-2投与群ではコントロール群と同様に上昇した。 3)血小板数はGPIIb/IIIa阻害剤投与群およびPGE1投与群ではコントロール群に比べ有意に高く維持されたが、ATAおよびAJvW-2投与群ではコントロール群とほぼ同様の血小板減少がみられた。 【結論】体外循環による血小板活性化を抑制し、血小板数を維持するにはvWFとGPIbとの結合を阻害することよりもGPIIb/IIIa阻害剤でfibrinogen受容体の活性化を抑制することが効果的であることが判明した。
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