1999 Fiscal Year Annual Research Report
老化心筋の特異的虚血応答分子メカニズムからみた新しい心筋保護法の開発-特に心筋細胞膜過分極型心筋保護液の虚血再灌流障害防止効果-
Project/Area Number |
11671322
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
築部 卓郎 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (50304100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安宅 啓二 神戸大学, 医学部, 講師 (20252760)
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Keywords | 心筋保護 / 過分極型心筋保護液 / 虚血再灌流障害 / 高齢 / アポトーシス |
Research Abstract |
(1)過分極型心筋保護液の開発 過分極型心筋保護液としてアデノシン及びATP依存性カリウム・チャンネル・オープナーのpinacidilを用いた心筋保護液の心保護効果をまず成熟日本白兎によるランゲンドルフ心灌流モデルにて検討した。コントロールとして脱分極型心筋保護液(20mM 高カリウム心筋保護液)を用いた。アデノシン付加心筋保護液(1 mM adenosin+20mM KCl)による心機能回復率(左室圧回復率)はコントロールに比し14±3%,pinacidil添加心筋保護液(50mM)では12±2%良好であった。次に月齢36ヶ月以上の高齢兎(ヒト60才相当)を用い同様に心機能回復率を検討したところ、コントロールでは左室圧回復率60±5%と有意に低下したがアデノシン付加心筋保護液では22±3%,pinacidil添加心筋保護液で18±2%と心機能回復率は有意に改善し、過分極型心筋保護液の心保護効果は高齢心で増強した。 (2)高齢心に対するin vivo modelでの過分極型心筋保護液効果の検討 つづいて、小動物実験用の人工心肺装置を装着し体外循環下に、in vivoにて上記の心筋保護液を注入した後45分間の大動脈遮断を行い、再灌流2時間後の心機能回復率を検討したところコントロールに比べアデノシン付加心筋保護液では心機能回復率は有意(25±5%)に良好であった。 (3)アポトーシス抑制効果の検討 TUNEL法による高齢心筋細胞アポトーシス発現率はコントロール(32±7%)に対しアデノシン付加心筋保護液では有意に低下(23±5%)したことより、過分極型心筋保護液の老化心筋に対するアポトーシス保護効果が判明した。
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