1999 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子銃による抗動脈硬化性遺伝子導入静脈グラフトの術中作製のための研究
Project/Area Number |
11671336
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
阿部 毅寿 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20305717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 高士 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (80316067)
谷口 繁樹 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90183467)
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Keywords | 遺伝子導入 / gene gun / EB-Virus episomal Vector / plasmid |
Research Abstract |
non-viralな遺伝子導入法として、Gene Gun法が様々な臓器や培養細胞に応用されているが、本法による心臓への応用は未だ報告されていない。そこでラットの心臓に対して本法によるin vivo遺伝子導入に関して検討した。Gene Gunはヘリウムガスを利用する圧力型(日本医科器械製、TF-1型)を用いた。9〜10週齢のwistar ratに対してGene Gunによる遺伝子導入を行った。導入した遺伝子は、SRaをプロモーターとしEB virus由来のEBNA-1、Ori-Pを含みLacZを組み込んだplasmid(p.SES.β)と、EBNA-1とOri-Pを含まないplasmid(p.S.β)である。また、plasmidを被覆させる金粒子は、直径1mm(1.0Au)と1.5mm(1.5Au)の2種類を用いた。plasmidの種類と金粒子の大きさで、4通りの組み合わせ(p.SES.b/1.5Au、p.S.b/1.5Au、p.SES.b/1.0Au、p.S.b/1.0Au)で検討した。また、controlはplasmidを含まない金粒子のみを導入した。また、他臓器への影響を検討するため、心臓以外に脳、肺、肝、腎、脾、腎でのLacZの存在をPCR法で検索した。その結果、1週間後にはいずれの群も発現を認め、炎症細胞の浸潤は認めなかった。発現期間はp.s.β/1.5Auは3週、p.SES.β/1.5Auとp.S.β/1.0Auは4週、p.SES.β/1.0Auは6週と金粒子が1.5mmよりは1.0mmの方が、またベクターはp.S.βよりもp.SES.βの方が長かった。一方PCR法による検索で、他臓器に導入遺伝子は検出されなかった。以上よりGene Gun法による心臓へのin vivo遺伝子導入は、non viralであり手技も簡便で限局した領域に遺伝子導入するには他臓器への影響もなく有用な方法と考えられた。plasmidを被覆する金粒子は、1.5mmよりも1.0mmの方が組織傷害は小さく発現持続期間を長くすると考えられた。また、EB virus由来のEBNA-1、Ori-Pを含むEB-Virus episomal Vectorは、導入するプラスミドの発現持続に関与することが考えられた。
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Research Products
(1 results)