2000 Fiscal Year Annual Research Report
FISHによる肺癌細胞のchromosomal instability(CIN)の検出
Project/Area Number |
11671341
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
中村 治彦 東京医科大学, 医学部, 講師 (80183523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 誠 東京医科大学, 医学部, 助教授 (30225734)
加藤 治文 東京医科大学, 医学部, 教授 (20074768)
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Keywords | 肺癌 / FISH / 染色体 / p53 / c-erbB2 |
Research Abstract |
本年度は、切除腫瘍の新鮮割面から捺印標本を作成して検体とした。肺癌において各種染色体の数的異常がどの程度現れるのか、また、それらと病理学的諸因子とはどのように関連しているのかを解明することを本年度の目標とした。各種染色体のセントロメアに特異的なDNAプローブを用いたFISH(fluorescence in situ hybridization)を行うことによって、3番、10番、11番、17番の4種類の染色体数を計数し、最頻値以外のコピー数を示す細胞の合計が全体の25%以上を示す時、CIN(chromosomal instability)が存在すると判定した。 非小細胞癌46例(男性24例、女性22例、平均年齢67歳)のうち、いずれかの染色体にCINを認めた頻度は47.8%、複数の染色体でCINを認めた頻度は25.6%であった。CINの出現と病理病期、組織型、血管侵襲、リンパ管侵襲の間に相関は認められなかったが、複数の染色体にCINを認めた症例は、その他の症例と比較して有意に無再発生存率が低下していた(logrank p<0.03)。以上の結果から、肺癌におけるCINの存在は癌の生物学的悪性度と関連し、予後不良を示す可能性が示唆された。 次年度はさらに症例を蓄積して、CINと患者の予後との相関関係を明らかにする予定である。
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Research Products
(2 results)