2000 Fiscal Year Annual Research Report
単心室に対する自己蠕動遊離骨格筋導管を用いた新術式の確立
Project/Area Number |
11671342
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Research Institution | JIKEI UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
田中 圭 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90256412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 紀代造 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (70174422)
小柳 勝司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60225589)
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Keywords | 骨格筋 / フオンタン手術 / 単心室 / 肺高血圧 / プレコンディショニング / 動的心室再建術 / 骨格筋心室 / 人工心肺 |
Research Abstract |
単心室症例に対する新しい心臓外科術式の確立を目指して、電気的トレーニングにより耐疲労性を獲得した自己骨格筋導管autologous skeletal muscle conduitによる右心バイパス手術(Dynamic Fontan)の手技・血行動態的妥当性を実験的に検討した。方法はビーグル犬8頭(体重12.8±2.7kg)を対象に人工心肺使用下に作成した単心室+肺高血圧モデルにおいて、左側有茎広背筋によるリニアー型骨格筋導管を用いた右房-肺動脈血流路を作成した。人工心肺離脱後骨格筋導管グラフトを電気的に駆動(25Hz,60/min)して骨格筋駆動によるFontan循環すなわちdynamic Fontanモデルとした。刺激前後での血行動態、右心機能を検討し本方式による右心系循環確立の可能性、Fontan循環に比しての優位性を検討した。この結果、骨格筋導管駆動直後より肺動脈圧PAP、肺動脈血流量PAflowの上昇をみとめ次いで大動脈圧上昇を認めた。肺動脈圧は骨格筋導管非駆動時18±2.8/15±2.4のnon-pulsatile flowであったが、骨格筋導管駆動により収縮期37.5±4.9拡張期18±2.1mmHgのpulsatile flowへと上昇した。また肺動脈血流量は生理的CVPの範囲内で0.54±0.13l/minから0.88±0.12l/minに上昇した。また右心機能曲線による検討では骨格筋導管非駆動下では著しい右心不全を認めたが、骨格筋導管駆動によりCVPは低下し、98±23%と術前と同程度のPAflowが得られた。以上からFontan非適応症例に対する新しい心臓外科手術として骨格筋導管によるDynamic Fontanの可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)