1999 Fiscal Year Annual Research Report
幼若動物に対する同種成熟肺葉移植における移植肺の形態的、機能的変化
Project/Area Number |
11671347
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
川原 克信 福岡大学, 医学部, 助教授 (80152990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白日 高歩 福岡大学, 医学部, 教授 (20038863)
岡林 寛 福岡大学, 医学部, 助手 (40194378)
白石 武史 福岡大学, 医学部, 助手 (10216179)
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Keywords | 小児肺移植 / 同種肺移植 / 肺葉移植 / 生体肺移植 |
Research Abstract |
幼若イヌに成犬肺葉を同種同所移植し、拒絶反応の頻度、移植肺の形態的、機能的変化を検討した。 【方法】Donor:体重15-20kgの雑種成犬の左下葉を摘出し、左肺を全摘した体重5-6kg雑種幼犬に同種同所移植した。術当日よりcyclosporineA(CYA)15mg/kg,azathioprine 1mg/kg/day,predonisolone 5mg/bodyの経口投与を開始し、CYAは2mg/kg/2weeksで漸減して5mg/kg/dayを維持量とした。術後適宜胸部X線写真を適宜撮影し、犠牲死させる前に、肺動脈造影および片肺動脈閉寒試験をおこなって、肺動脈圧を測定し動脈血ガスを分析した。また犠牲死後に移植肺および右肺上葉を摘出し組織学的検索を行った。 【結果】9頭に移植を行い5頭が肺静脈血栓で術後1-5日目に死亡。4頭が12ヶ月以上生存した。体重は移植時5-6kgであったが、12週で8.5±0.8kg、18週で9.0±1.5kg以後著明な増加はみられなかった。1頭で術後2週目に急性拒絶反応が疑われmethylpredonisoloneのpulse療法で消褪した。肺動脈造影:2頭に左肺動脈吻合部の高度狭窄がみられ、片肺動脈閉寒試験に耐え得なかった。肺動脈圧:肺動脈狭窄のない残り2頭の閉塞前後15分の肺動脈圧は各々17.5±6.5、24.5±5.5mmHgであった。動脈血ガス分析:1頭で閉塞前後30分のPaO2は各々600,590mmHg、PaCO2は各々30、45mmHg、他の1頭でPaO2は各々210、130mmHg、PaCO2は各々25、50mmHgであった。組織学的所見:移植肺の肺胞の癒合・拡張が一部にみられたが、多くの肺胞構造はよく保たれていた。
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