1999 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈解離の病態とVasa Vasorumの病的意義
Project/Area Number |
11671359
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
遠藤 俊郎 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (70125269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 秀雄 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (40272918)
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Keywords | Cerebral arteuy / Dissection / Aneurysw / atherosclerosis / vasa vasorum / pathology / experimental model |
Research Abstract |
1)頭蓋内疾患剖検例より得た脳動脈の組織変化、特に動脈解離(くも膜下出血発症解離性動脈瘤)病変に関する一連の研究を継続している。研究遂行にあたっては、動脈解離の際にみられる弾性板の破綻と壁内出血、および脳動脈においてはこれまでその存在が否定的に考えられてきたVasa varorum(VV)の変化に着目し、その形態変化の特徴や血管病変の病態、発生機序との関連につき検討を行ってきた。 2)特に平成11年度には、年齢、疾患の異なる新たな症例の血管病理所見の検討を追加実施することで、動脈硬化性変化の進行した中高年者の動脈では、特に強い因果関係を持ってVVの発達が見られること、およびこれらVVが動脈壁外膜にとどまらず中膜層まで発達する頻度が高いことをさらに明確に示唆する成果を得た。 3)動脈病変連続切片の作成より、VVの動脈壁での発達走行の経路を明らかにすると共に、VV破綻部位と壁内出血病変の連属性を証明する病理所見を確認できた。 4)VV発達や壁内出血を認める部位の動脈壁には、浸潤性細胞の増加やクラミジアなどの感染反応が高頻度に観察されることも見い出した。 5)以上のごとく剖検例を用いた臨床例血管病理所見に関する研究は順調に進行しており、今後とも検討課題解決にむけ研究を継続する。一方、実験モデルについては病的変化確認までに約半年の時間をかけるものであり、なお十分な成果を得るには至っていない。モデル作成の方法について一部再検討を要することも考慮しつつ研究を進めている。
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[Publications] 桑山直也,遠藤俊郎: "後頭蓋高(硬膜)動静脈瘻の治療"The Mt.Fuji Workshop on CVD-17. 17. 179-184 (1999)
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[Publications] Kuwayama, N. et al.: "Treatment of intracrahial dural AVF in unusual location"Interventional Neuroradiology. 5(swp1). 115-120 (1999)
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[Publications] Furuichi, S., Endo, S. et al.: "Related changes in sympathetic acitivity, CBF, and intracranial pressure ・・・・・・・・・."Acta Neurochirurgia. 141. 415-424 (1999)
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[Publications] 遠藤 俊郎: "Neurosurgery Headline5「脳血管の再建」"生塩之敬,山浦晶,小川彰編(三輪書店). 88〜96 (1999)