1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経線維腫症2型(NF2)癌抑制遺伝子のプロモーター領域の発癌機構への関与
Project/Area Number |
11671371
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
竹島 秀雄 熊本大学, 医学部, 助手 (70244134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生塩 之敬 熊本大学, 医学部, 教授 (20028583)
河内 正人 熊本大学, 医学部, 助教授 (70178218)
西 徹 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (00264309)
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Keywords | NF2 / gene / promoter / cloning / luciferase / methylation |
Research Abstract |
神経線維腫症2型(NF2)関連腫瘍においてNF2遺伝子の蛋白質コード領域に遺伝子変異の認められる頻度は約半数に過ぎない。これに対して、蛋白質発現の低下はほとんどの症例で共通して見られる。この矛盾点を説明し、NF2遺伝子の転写調節の異常が神経線維腫症2型における発癌機構に関わっている可能性を明らかにするために、本年度はNF2遺伝子のプロモーター領域のクローニングを行い、実際にどの部分が転写活性に重要であるかを決定した。まず、BACヒト遺伝子ライブラリーをスクリーニングし、NF2cDNAの第1エクソンにハイブリダイズする陽性クローンを単離した。DNAシークエンス解析により塩基配列を決定し、構造解析を行ったところNF2のプロモーター領域はTATAボックスを欠き、GC含量が高く、複数の転写開始点を有する典型的なハウスキーピング遺伝子プロモーターの特徴を有していた。次に、プロモーター領域の様々な欠失変異体を作成し、ルシフェラーゼ レポーターベクターに組み込み、ルシフェラーゼ ・アッセイにより転写調節に重要な部位を決定したところ、翻訳開始コドンより-616〜-550の約70bpの領域が必須であることがわかった。この領域内には、データベースの解析の結果、Sp1結合配列、Ets結合配列が存在した。そこで、ゲルシフトアッセイを行い、同領域内に転写因子が結合することを明らかにした。このDNA-蛋白質結合には70bpのほぼ大部分の領域が必要で、前述した転写因子の特異的競合配列では結合を阻害できなかった。以上のことより、70bpの領域には未知の蛋白質が結合していることが予想される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yamamoto,K.: "Cloning and functiional characterization of the 5'-flanking region of the human monocyte chemoattractant protein-1 receptor(CCR2) gene."J.Biol.Chem.. 274. 4646-4654 (1999)
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[Publications] Takeshima,H.: "Identification and characterization of the cis-regulatory element in NF2 gene promoter that is inactivated by methylation in vestivular schwannomas."Neuro-Oncoloogy. 1. s76 (1999)
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[Publications] Goto,T.: "High efficient electro-gene therapy of solid tumor by using an expression plasmid for the herpes simplex virus thymidine kinase gene."Proc.Natl.Acad.Sci.USA.. 97. 354-359 (2000)
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[Publications] Koga,H.: "Biological aspects of the neurofibromatosis type 2 gene product."Nimura,F.Otsuka,and O.Hino. 11 (1999)
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[Publications] 竹島秀雄: "Neurofibromatosis 2.Tumors originated from the neural crest."生塩之敬、山浦晶. 14 (1999)