1999 Fiscal Year Annual Research Report
頚動脈狭窄症における粥状硬化巣内出血のメカニズムの解明
Project/Area Number |
11671375
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山本 勇夫 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30158266)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
周藤 高 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助手 (10235707)
菅野 洋 横浜市立大学, 医学部, 講師 (40244496)
|
Keywords | 内頚動脈狭窄症 / 頚動脈内膜剥離術 / 粥状硬化巣内出血 / Vascular Endothelial Growth Factor / 泡沫細胞 / 血管平滑筋 / 動脈硬化症 |
Research Abstract |
頚部頚動脈狭窄症における脳虚血症状の発症に粥状硬化巣内出血が重要視されているが,このメカニズムを分子レベルで解明することを目的とし、粥状硬化巣内における低酸素状態で誘発されるVascular endothelial growthfactor(VEGF)により新生血管が形成され,これが破綻して粥状硬化巣内の出血を惹起すものと推測した. このメカニズムを明らかにすれば脳梗塞の原因の1つである頚部頚動脈狭窄症の診断,予防に極めて有用であると考えられるが、頚動脈病変において粥状硬化巣内出血のメカニズムをヒトの動脈硬化巣において証明した報告はみられていない.我々はこれまで症候性頚動脈狭窄患者の頚動脈内膜剥離標本の免疫組織学的検索で,硬化巣内の泡状細胞に一致して高率にVEGFの発現を認めたのに対し,硬化が軽度な対象群ではVEGFの発現はみられなかったことを報告してきた.今年度は、動脈硬化巣におけるVEGFの発現をVEGFに対するモノクローナル抗体を用いた免疫染色を行うとともに,in situ hybridization法を用いてVEGFmRNAの発現を検討した.また、頚動脈内膜剥離標本から蛋白を抽出し、Western blot法にて検討したところ、硬化の進行した内膜に明瞭な発現を認めた. また、VEGFを産生する由来の細胞の同定を試み、共焦点レーザー顕微鏡による解析により、VEGFを産生する泡沫細胞はマクロファージと平滑筋細胞由来の2種類があることが明かとなった.これらの成果について、論文にて発表したほか、以下の学会にても報告した. 第58回日本脳神経外科学会総会(東京)平成11年10月 第11回神奈川血栓症セミナー(横浜)平成12年3月 Yamamoto I:Carotide endarterectomy.Joint meeting of the section on cerebrovascular surgery of AANS&CNS(Invited lecture).Nashiville,USA-1999
|